個人サービスを売買できるシェアリングサービス『エニタイムズ』を体験してみた
魅力的でパワフルなスタートアップのサービスを実際に体験して取り上げる本連載。第4回は、生活密着型シェアリングエコノミーサービス「エニタイムズ」を紹介する。個人でできることを売買するマーケットプレイスだ。
エニタイムズ | |||
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プラットホーム | ブラウザ、アプリ | 企業名 | 株式会社エニタイムズ |
代表 | 角田千佳 | 設立 | 2013年5月1日 |
取引形態 | CtoC | 利用料金 | 1000円~/報酬あり |
料理や掃除、洗濯から撮影、ペンキ塗りなどを人に頼める
ネットで仕事を発注できる仕組みとしては、クラウドソーシングというものがある。基本的にネット上で発注し、原稿などの成果物をメールなどで納品してもらうのがふつうだ。しかし、もっと身近な仕事を依頼したい、というニーズもある。例えば、家の掃除、犬の散歩、買い物、料理など。何でも屋があればいいのだが、近所にあるとは限らないし、予算の都合もある。
そんな時にチェックしたいのが「エニタイムズ」。2013年に設立されたスタートアップで、誰かに手伝ってほしいことを募集し、自分が得意なことを提供する、という“個人でできること”のシェアリングサービスだ。「助け合いコミュニティ」や「生活密着型シェアリングエコノミー」と呼ばれることもある。
クラウドソーシングと違って、実際に対面するというのが特徴。もちろん、安心・安全に利用するためのいろいろな工夫があるのだが、まずは利用してみた。「エニタイムズ」は現在、ウェブ版とiOSアプリが公開されている。Android版は準備中とのこと。なお、取材後にサービスがリニューアルされており、UIや表記が一部変更されている。とはいえ、ほぼ同じ手順で利用できるのでご了承いただきたい。
依頼を受けるまで:筆者が得意なデジタル分野にチャレンジ
まずは、仕事を受けてお金を稼いでみる。「仕事をする」を開くと、多数の依頼が一覧表示される。内容と報酬、希望日、場所などが表示されているので、気になる項目をクリック。
多く目に付いたのが、掃除の依頼だった。Airbnb物件の掃除が多いようだ。他には電話代行、写真撮影、フライヤー作成、子供のかけっこ指導、犬の散歩、料理、鑑定、ペンキ塗り、ファッションコーディネート、ヨガのレッスンなど様々な依頼が登録されていた。依頼料金は1000~1万1000円くらい。最多価格帯は2000~5000円だ。
いろいろと見ていると、「MacbookAirの使い方を教えてください」という依頼があったので応募してみる。契約金額は3000円で登録されており、システム手数料15%を引いた2550円が筆者の報酬金額となる。
応募後、メッセージでやり取りをするのだが、ここがエニタイムズを利用する上でのキモになる。「依頼詳細」ではわからないことをきちんと話し合って、内容を詰め、日時や場所を確定していく。その際、お互いが信頼できるかどうか、きっちりコミュニケーションする必要があるのだ。相手のスキルなどは担保されていないので、ここですりあわせておかないとトラブルになりかねない。特に依頼する側はきちんと確認したい。サービスを提供する側も、自分に決めてほしいからといいことばかりを言うのではなく、相手の要望にきっちり応えられるかどうかを確認しておきたい。
MacbookAirの使い方を伝授してみた
メッセージでやり取りして午前中に渋谷の喫茶店で待ち合わせることに。依頼者はakarinさん。Macbookデビューらしく、いろいろな周辺機器やウェブサービスの使い方がわからないようだった。もちろん、筆者が得意なデジタル範囲なので、一つずつ回答していく。その間、色々と雑談をしたのだが、akarinさんいつも依頼を受ける側で、自分で依頼をするのは初めてだという。料理を作る依頼を多く受けており、独身男性に数日分を作り置く案件がよくあるそうだ。
雑談やMacbookとは関係ない質疑応答までしていると、あっという間に1時間が過ぎ、終了。挨拶して別れた。その後、akarinさんが仕事の完了を承認してくれると、報酬を受け取ることができる。自分の銀行口座を登録し、報酬支払い申請をすればいい。
報酬金額が大きくないので、これで生計を成り立たせることはできないかもしれないが、スキマ時間に手伝うことは十分できそう。自分の生活圏内で、無理なくアテンドできれば、よいお小遣い稼ぎになることは間違いない。akarinさんが特にいい人だったのかもしれないが、お金をもらうのが申し訳ないくらい普通に楽しかった。メッセージできちんと内容を詰めておけば、トラブルも防げそうだ。