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新たな事業を企画するだけでなく、参加した人の意識を変革するワークショップ

2016年04月07日 09時00分更新

文● MOVIEW 清水、編集●オオタ/ASCII.jp

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冷蔵庫事業部 真鍋 馨氏

今回のワークショップに参加された感想はいかがでしょうか。

真鍋氏:クリエイターやデザイナーが多かったので、いままでの社内でのディスカッションでの思考プロセスとはだいぶ違う、新しい、新鮮な感じがしました。着想の善し悪しは誰にもわからない世界だと思うんですけど、新しい気づきを与えてくれています。

 社内の人間とのディスカッションだとすぐいくつ売れるのかという話になりがちです。でも、外部の方にはそれはどうでもいい話で、何が本質で何が価値なんだというところにしっかりとターゲットを置いて、いろんなアイデアを出してくれるということが非常に気づきになりました。

 また、外部の人同士がそれぞれバックグランドが違う中で、たまたまワークショップで同じグループに居合わせて、お互いのバックグラウンドをかけあわせたら実は組み合わせでちょっとおもしろいことができそうだという発見もあったり。そういうことがビジネスのアイデアの骨格になっているグループって結構あると思います。

 そんなところも、社内だけでは気づくことができないビジネスの着想であったり、非常におもしろいなと思います。

ワークショップへの参加でいちばん驚いたところはどこでしょう?

真鍋氏:参加したグループのメンバーはデザイナーと出版社の編集者、それからベンチャー経営者でした。その中で、編集者が取材にいった場所の話をしました。そこは長寿の町で、その秘訣があったのです。

 もちろん長寿の秘訣がそれだけかどうかわからないんですけど、その人でないと知らなかった経験値であって、それをシェアしていただいたことによって、病気を予防する手段のアイデアがつながるんじゃないかと思ったのです。そして、それがつながったときに何が提供できるんだということについて、みんながそれっておもしろいとぐぐっと走ることができたのはおもしろい掛け合わせだったなと思います。そのプロセスがおもしろかったですね。

 2日間しかないので、そのアイデアのマネタイゼーションとか、どうしたら継続的にビジネスにできるシステムを作るかという議論は到底できてないんですけど、電気メーカーに働く社員にとって、便利にしようという意識はあっても、あえてアナログで非効率となるその長寿の秘訣というのが逆に新しいんじゃないかという、逆転の発想がとても刺激になりました。

ワークショップで経験したことはいまの事業に活かせそうですか?

真鍋氏:いまの事業に即使えるという設定ではないので、そこはすぐにはちょっと難しいかも知れませんが、考え方とかアプローチの仕方は間違いなく刺激になりますね。

 今回たまたまいろんな職種な人間が参加している。社内メンバーもデザイナーであったり、技術者であったり、どちらかというと元々先のことを考えているメンバー構成だったんですけど、アイデアを活性化するという意味では、事業を担当している人がもっと入ってもいいとは思いました。

社内のいろんな立場の人に参加してもらいたいと。

真鍋氏:今回のような体験をする人が増えて、マジョリティーになれば、そういう共通言語で話ができるんだと思うんです。

 若手層もいいんですけど、幹部クラス、社長であったり、役員クラスがこうした取り組みに参加することで会社が変わるというケースもあるそうなので、やはり両方なのかなと思います。

今後も継続して関わりたいですか?

真鍋氏:新しいことを考えるのはエネルギー使いますけど、楽しいことでもあります。日常の業務とは違う脳みそを使うので、体というより頭の中が疲れますが、気を遣うことがなかったです。自己紹介はするけど、相手が本業でどのくらいのポジションにいるかとかを気にせずにフランクに話せるというのも良かったのかもしれないですね。

 考えもしなかった着想を引き出せたし、参加してよかったです。

ありがとうございました。

 運営側も参加者側も、それぞれ新たな刺激を得られたようで、ワークショップ自体の開催の意義を感じられたインタビューとなった。今回作られた企画がそのまま新たなビジネスとなるのは難しい部分もあるが、話を伺うと、それだけが目的ではなく、参加者の意識の変革や、バックグラウンドの違う人との対話の重要性の発見など、さまざまな効果をもたらしたワークショップとなったと感じられた。

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