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GDC 2016レポート

クオリティーが異常、GDCの最新デモに見るVRの熱狂と成功の道筋

2016年03月23日 10時00分更新

文● 新清士、編集●ASCII.jp

Game Developers Conferenceの会場の様子

 3月14~18日まで、米サンフランシスコで、2万5000人あまりが参加する世界最大のゲーム開発者向けカンファレンス「Game Developers Conference(ゲーム開発者会議)2016」が開催された。

 今年のGDCはバーチャルリアリティー(VR)関連の情報一色だったといって過言ではない。

 100以上ある講演やパネルディスカッションのうち、30%あまりがVR関連で、ゲーム開発技術が発表される展示会でも、VR関連の新技術が山のように発表されていた。そして、なんとかVRを体験しようとデモ展示にはどこも大行列ができていた。その熱気の一部を紹介したい。

VR市場形成の裏側にあるゲームエンジンの競争

 VRの魅力は、説明するのが本当に難しい。スクリーンショットを見ても、画面映像を見ても、実際にVRHMDを被って体験してみると印象はまったく変わる。そのため、特に体験したことがない人からの懐疑的な意見が常につきまとう。しかし興味深いのは、一度VRを体験すると魅せられてしまう人が非常に多いことだ。

 実際、ゲーム開発者の間では、そのすごさは口コミで広がってきた。3年前のGDCでは、Oculusの最初の開発キット「Oculus DK1」がリリース直前で長蛇の列を生み出していた。そして今年、いよいよ製品がリリースされる段階に入り、多くのゲーム開発者によるVRに向けた動きが、顕在化してきたといえるだろう。

 GDCの会場では、VRが新しい市場を形成することを疑う声は皆無に近かった。一般ユーザーへの定着がどのように進むのかというのは、まだまだ見えない部分があるものの、遅かれ早かれ、VRの浸透が進むという見方が大勢であった。

 こうした状況をうながしているのは、VRHMDが発売になるという要因以外に、VRコンテンツを開発するための、安価な統合制作環境のゲームエンジンが整っていることがあげられる。

 VRへの親和性の高さをアピールし、VRコンテンツの9割が作られているとするユニティ・テクノロジーズの「Unity」、ハイエンドな映像を制作するのに向いているエピック・ゲームズの「Unreal Engine 4(UE4)」、さらに今年2月に発表された、Amazonがドイツの「CryENGINE」をベースに開発している「Amazon Lumberyard」。それぞれが大きな展示ブースを構えており、VR対応を新機能の目玉としてうたっていた。

 どのゲームエンジンも、誰でも無料でVRコンテンツを開発することができ、性能としては大手ゲーム会社が使っているゲーム開発環境と遜色ない。このトップの3社が、VRに参入しようとしているゲーム開発者を取り込もうと激しい競争を繰り広げているため、結果的にVRを開発する技術の向上が加速化している。

Unityのブース

Lumberyardのブース

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