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Windows情報局ななふぉ出張所 ― 第18回

最新CPUでのWindows 7サポート打ち切りで、企業ユーザーは選択を迫られる

2016年01月27日 10時00分更新

文● 山口健太 編集●KONOSU

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 米マイクロソフトが発表した、Skylake以降のCPUにおけるWindows 7/8.1のサポート縮小の話題が注目されています。

 1月15日で、インテルの第6世代Coreプロセッサー(Skylake)搭載のPCで動作するWindows 7と8.1のサポートは、2017年7月17日以降に限定的になることが明らかになりました。さらに次世代のCPU『Kaby Lake』以降では、Windows 10のみがサポートOSになります。

最新CPUのWindows 7サポート打ち切りで、企業ユーザーが迫られる選択肢
今回の発表以前、1月のCESでサムスンの基調講演に登壇した米マイクロソフトのテリー・マイヤーソン氏。

 これを受けて、1月22日に2017年7月までWindows 7や8.1をサポートする各メーカーのSkylake搭載PCのリストが公開されました。今後はより多くのメーカーから、同様の情報提供が期待されます。

最新CPUのWindows 7サポート打ち切りで、企業ユーザーが迫られる選択肢
デル、HP、レノボ、NECがWindows 7/8.1をサポートするSkylake搭載PCのリストを公開した。

“打ち切り”の影響を受けるのは企業ユーザー

 米Net Applicationsの調査によれば、デスクトップOSにおけるWindows 7のシェアは55.68%と、6割近くを維持しています。一方、調査によって上下するところはあるものの、Windows 10のシェアは9.96%で、Windows XPの10.9%に届いていません。

 ただ、マイクロソフトによればWindows 10は世界で2億台以上のPCで動作しているとのこと。新規に販売されるPCがWindows 10を搭載しているのはもちろん、無料期間内にアップグレードしようと考える個人ユーザーにとって、2016年前半はますます移行が加速する可能性があります。

 一方で、この問題の影響を大きく受けるのはコンシューマーではなく、企業ユーザーとみられます。PCメーカー関係者と話していると、まだまだ企業ユーザーの中には『32ビット版Windows 7』を指名買いする場合が少なくない、といった事例があるようです。

 もちろん、64ビットのWindows上では32ビットのコードを動かすための安定した仕組みがあるものの、一部のソフトウェアやデバイスドライバーが依存していたり、64ビット環境での動作検証ができていない、検証する時間や人がいない、あるいは作った会社が潰れたなどやむを得ない事情により、32ビットWindowsを使い続けているものと考えられます。

 企業内システムもWebアプリケーションに移行したことで、Windowsのバージョンアップから受ける影響は大きく減っています。もちろんその一部はInternet Explorerのバージョンに依存しているものの、最新のWindows 10でもIE11を搭載しており、IE11は企業向けにIE8互換のモードがあり、移行しやすくなっています。

第5世代Core以前のPCを選ぶという選択肢も

 とはいえ、基本的に企業ユーザーはWindowsのバージョンアップに保守的になりがちという点も理解できます。最新のWindowsを使うことが業務に関係しているようなIT企業を除けば、 いま動いているものをわざわざ変える必要はないと考えるのが普通です。

 今回のサポートポリシーの変更で最も困るのは、今後もできる限りWindows 7を使い続けるつもりだった企業が、Skylake搭載PCを購入してしまった場合です。この場合、2017年7月以降のサポートがどうなるかは、不透明な状況です。マイクロソフトは、即座にサポートを打ち切るのではなく、重大なセキュリティアップデートや、古いCPUで動作するWindowsへの悪影響がないと判断されれば、パッチを提供することもあると説明しています。

 また、次世代CPU「Kaby Lake」以降のPCが主流になるタイミングでWindows 7 PCの置き換えを検討している企業も、問題になります。次世代CPUでは Windows 10のみがサポートされることから、ダウングレード権を行使してWindows 7を使い続ける道が残されたとしても、サポートに不安が残ります。これはPCの置き換えと同時に、実質的にOSの移行を強制されることを意味するでしょう。

 逆に第5世代Core(Broadwell)以前のCPUを搭載したPCの場合、Windows 7は2020年1月14日の延長サポート終了までしっかりサポートされるという、一種の逆転現象が起きることになります。今後もWindows 7の使用が避けられないと分かっている場合は、あえて古いCPUのモデルを選ぶという手もあります。ただ、そうした旧モデルを販売会社やリース会社がいつまでも取り扱っているとは限らない点は悩ましいところです。

 注目すべきは、こうしたサポート期限の変更に関する発表が、Skylake搭載PCがある程度市場に出回った後で行われたという点です。すでに多くの企業ユーザーがWindows 10の評価を始めているとはいえ、我先にと移行に踏み切った企業はまだ少数派です。Windows XPのように、制限時間いっぱいまでWindows 7で粘ろうとする企業を、是が非でもWindows 10に引き上げていくという、マイクロソフトの強い意志が感じられるところです。

最新CPUのWindows 7サポート打ち切りで、企業ユーザーが迫られる選択肢
すでに75%の企業がWindows 10の評価を始めたとマイヤーソン氏は語る。ただ、裏を返せば実際にWindows 10に移行した企業の数を、マイクロソフトは出していない。

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