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故障対応、定期点検の効率化、遠隔監視を実現

IoTが世界を変える!IHI自動倉庫の保守業務をスマートに

2016年01月06日 14時00分更新

文● 川島弘之/TECH.ASCII.jp

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 日本IBMは1月6日、IHIグループが提供する「自動倉庫」の保守業務において、IoT/ビッグデータを活用した保守支援システムを構築し、本格的に稼働したと発表した。

 IHI物流産業システム(ILM)やIHIエスキューブ(IS3)などIHIグループが提供する自動倉庫は、ラックとクレーンの一体構造で立体保管し、天井までの空間をフル活用できる倉庫。操作はタッチパネルやバーコードリーダーでワンタッチに行え、従来の倉庫の様に探す・歩く・取り出すといった作業を削減できる。自動制御可能なコンピュータオンラインシステムも導入でき、経験豊かな専任者がいなくても、明確な在庫管理が可能なのもメリットだ。

 IHIグループは、2013年4月に高度情報マネジメント統括本部を新設し、社内外の多種多様なビッグデータを活用して、新たな事業創出や製品・サービスの高度化をめざしてきた。自動倉庫業務の高度化もその一環。これまでILMでは、自動倉庫内の設備や機材の稼働状態をリアルタイムに監視していた。さらに高度化するためには、収集したデータを活用したり、顧客の設備状況や保守要員の作業履歴などを分析することで、顧客設備の稼働率を高めることが求められていたという。

 新システムでは、設備や機器から得られるIoTデータを解析して故障予測や計画点検が可能になる。具体的には、各種センサーから異常、稼働履歴、PCで管理していた作業員の出動履歴、報告書、保守履歴に加え、「IBM SPSS」で分析した故障予測などの分析結果、顧客別・自動倉庫機種別のカルテ情報など多岐にわたるデータを、設備管理ソリューション「IBM Maximo」で一元的に管理し、可視化できるようにした。

 これによりILM社では、故障対応の品質向上、定期点検の効率化、遠隔監視が実現。故障対応の質の向上では、全国の顧客設備の状況やカルテ情報、保守要員の出動履歴などを全国16ヶ所のサービス・センターで把握できるようになるため、故障の兆候を検知して事前に対応できるようになる。また、各部品の故障予測や部品の寿命予測をすることで計画的な部品の在庫管理が可能となり、緊急調達を減らし、コストを削減できるという。

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