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だからガジェットはやめられない!!

Kickstarterの成功・失敗を熱く語った「ガジェットフリマ」レポート

2016年01月01日 16時00分更新

文● ASCII.jp

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満場一致で「Perception NEURON」推しに

Perception NEURON

 そんな彼らが、過去にKickstarterで投資してよかったものベスト3に3人とも共通してあげていたのが、モーションキャプチャシステムの「Perception NEURON」(パーセプション・ニューロン)だった。

 仕組みは、親指ほどの小型トラッカーを10個以上体のあちこちに取り付けることで、全身の動きをデータ化できるというもの。モーションキャプチャーのシステムは数百万円するのが当たり前の世界だが、Perception NEURONでは早期割引で175ドルからという異常に安い価格で提案されていた。

 MIROさんは「仕事で数百万円するモーションキャプチャーを使っているけど、精度はそんなに変わらない。ただし、地場の強いところでの動作は弱いので、業務で使えるかというとまだ厳しいけど、この値段であの性能は驚き」とコメント。GOROmanさんは「何百万円もしたものがパーソナル化するとバカなことができる」と賛同していた。MIROさんは「予定よりちょっと遅れたぐらいでちゃんと届いた」というのも理由に挙げていた。

 ゆーじさんは「指の動きが取れるものと言ったら、NEURONぐらいしかなかった。装着の自由度が非常に高くて、細かく動きを取りたいところは増やせばいいし、肩だけデータ化しないといった選択もできる。ただ、装着する手間がかかるので、展示会でデモするのには向かず、モーションアクターに使ってもらう用」と指摘していた。

 Oculus Riftも、MIROさん、ゆーじさんの2人が「よかったもの」に挙げていた。

 かぶると360度が映像に包まれて、別世界にいったような体験ができるヘッドマウントディスプレーで、開発元のOculus VRは2014年にFacebookに2000億円で買収されて一躍注目を集めた。2016年の第一四半期にはいよいよ製品版がリリースされるが、その伝説の始まりもKickstarterだったのだ。

 MIROさんは、「過去にもいろいろなVRヘッドマウントディスプレーを買ってきたので、この300ドルという値段で視野角90度以上というのは『嘘でしょ?』って半信半疑だった」と出資前を振り返る。製品が届いた際には、「かぶった瞬間に『マジかー!!!』と叫んで、その次の瞬間、レンズの中にパネルがあるだけという構造に『これは頭いいな』と驚いた。今までのヘッドマウントディスプレーは光学系にお金がかかって10万円ぐらいかかるのは当たり前だったから」と解説していた。

Oculus Rift

 GOROmanさんが熱く語っていたのが、Pebbleだった。「Pebbleの存在を知って、Kickstarterやクラウドファンディングに目覚めた。そこからOculus Riftにつながっている」と原点であったことを強調。

 6万8000人以上のバッカーから約1026万ドル(約12億円)が集まったことについても、「これだけボーンとお金が集まってて、バッカーもすごかった。そしてKickstarterのコメント欄に『防水機能をつけろ』と要望がよせられて、当初予定がなかった防水機能が本当に付いた。これこそクラウドファンディングの醍醐味で、普通の企業だとできない」とコメント。「多分Pebbleがコケていたら、クラウドファンディング史が大きく変わっていた」とまとめていた。

Pebble。ちなみにこの日、MIROさんもPebbleをフリマに出品して購入されたそうだ

「1年間ぐらいの遅れで普通、2年ぐらいだとちょっと遅い」

 一方、悪かったものはさまざまだ。一番ウケていたのが、MIROさんがバックしたという腕につける録音デバイスの「Kapture」。ずっと録音しておいて、ここぞというタイミングで本体をタップすると音を記録してくれるライフログ系のアイテムだ。

 MIROさんによれば、「モノが実際に届いたのはよかったけど、何度タップしても反応しない。それで説明ビデオを見てみると、ものすごい勢いで腕を叩いている。『ちょっと待て』と思って思いっきり引っ叩いたら動いた」と、自分の腕を全力で「しっぺ」する様を見せて会場を爆笑させていた。結局、「何度か試したけど使えなかった。コンセプトもデザインもいいのに、せめてボタンにしてくれれば……」と残念そうに語る。

Kapture

 GOROmanさんは、360度カメラの「Bublcam」をピックアップ。「ライブ中継とかいろいろできるうたい文句だったけど、ほとんどが実装されていなかった。もともと2014年2月の出荷だったけど、実際に来たのが2015年後半。それでAPIも公開していないのでハックのしようがない」と理由を挙げる。

 2015年後半といえば、リコーから360度カメラ「THETA」の第3世代目となる「THETA S」がリリースされた時期。出荷日を守っていれば惜しかったデバイスだったようだ。ちなみにKickstarterのプロダクトについては、1年間ぐらいの遅れで普通、2年ぐらいだとちょっと遅いという感覚とのこと。

Bublcam

 ガジェットフリマの会場では、そうしたKickstarter発のアイテムも含めたレア物が多数出品されていた。主催者のPANORA(関連リンク)によれば、ガジェットフリマも継続して開催していくそうなので、ぜひ参加してみてはいかがだろう。

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