このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第97回

Apple TVとともに日本に帰省する

2015年12月18日 10時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

垣根を越えているiTunesと、垣根が存在するNetflix

 アメリカで使っていたApple TVを、滞在先のテレビに接続すれば、普段観ていたテレビに早変わりします。iTunesで購入済みの映画も、ネットの設定さえすればそのまま楽しむ事ができました。しかし、Netflixは事情が異なります。

 アメリカのNetflixのアカウントを持って日本にやってきて、アプリを開くと、そのままログインすることはできますが、視聴できる映像の数は驚くほど減っています。加えて、一見同じビデオがラインアップされているように見えても、タイトルによっては、日本向けのビデオが流れるようになっていました。

 日本でNetflixが始まってから、日本でアプリを開いたのは初めてだったので、普段見慣れた英語だらけのUIに日本語が出ていると、ちょっと新鮮です。ただ、おすすめコンテンツに「日本昔ばなし」と「アラサーちゃん」が隣に並んでいたのは、やや複雑な気持ちになりましたが。

 日本人の筆者の場合は、新たに見られる日本語コンテンツが増えて楽しめるのですが、アメリカ人が同じように日本でNetflixを開いて、同じタイトルで日本語が流れ出すと、違和感が大きいのではないかと思いました。また、普段見ていた作品が見られなくなる点も解決すべき問題だと感じました。

理想としては、スマホだけで

 理想としては、Apple TVを持ち歩かずに、普段見ている作品を目の前のディスプレイで楽しむ事ができれば、と思います。これを実現できているのは、実はYouTubeアプリです。

 大抵のスマートテレビには、YouTubeアプリが用意されています。このテレビ用YouTubeアプリには、スマホとの連係機能が備わっています。テレビのコードをスマホのYouTubeアプリに登録すると、スマホアプリからテレビに、YouTubeコンテンツのキューを送り込むことができます。

 スマホで見たいビデオを検索して、テレビのキューに追加すれば、テレビはそれを順番に流してくれるという仕組みです。これなら、セットトップボックスを持ち運ばなくても、そして国も基本的には関係なく、普段観ているビデオを手軽に楽しめるでしょう。

 あとはYouTubeが、どれだけテレビに近づくか。また我々が、YouTubeとテレビとの間に隠し持っている心理的な壁を、いかに取り払うか。ちなみに、Apple TV向けのニコニコ動画アプリも、楽しみにしています。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン