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再生率アップで今後の宇宙開発に重要なデバイス

宇宙飛行士が尿を飲めるようにする装置、次世代モデルが登場

2015年10月02日 15時01分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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処理フロー

 超純水製造装置などを手掛ける栗田工業は10月2日、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)より、「次世代水再生実証システム」のフライト品の製作を受注したと発表した。

 国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」に搭載するもので、ISSの内部で発生する水分(つまり尿)を回収して飲料とする装置。イオン交換により尿に含まれるカルシウムやマグネシウムを除去したのち電気分解により有機物を分解、電気透析によってイオンを取り除く。電気分解は高温高圧で行ない、難分解性の有機物も完全に分解する。処理能力は1リットル/日。

装置外観および内部(地上実証機) 

 装置は約4年にわたるJAXAとの共同研究により、ISS使用条件下での装置の安全性も検証して装置仕様を確立したという。現在ISSで使用されている水再生システムと比べ、85%以上と高い再生率で水を回収できるほか、装置の重量やサイズは4分の1(535×600×480mm)、消費電力は約半分、イオン交換樹脂の再生もシステム内で自己完結する処理方式でメンテナンスフリーという。

 ISSにおける水再生に関しては、現在のシステムは化学処理後に遠心分離、蒸留といった複雑な工程を行なっているが、再生率やメンテナンス問題もある。NASAやESAではアクアポリン(水分子のみを選択透過するタンパク質)を利用する水再生フィルターの実験も進めている。いずれの方法にせよ、有人火星探査といった長期の宇宙飛行を目指すならば、水の再生利用は大きな技術的課題となっている。

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