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"ラップの切り方"から学ぶユーザー行動マーケティング

2015年09月29日 11時00分更新

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オススメしたいユーザー行動の活用

突然ですが最近の私の趣味は料理です(カレーを作ることにはまっています)。料理をしていてよく使うアイテムの1つにラップがあります。ラップを使うたびに「これはユーザー行動を活用したデザインになっているなー」と思う、ありがたいデザインがあります。ラップをよく使うアイテムとして紹介しましたが、切り方に失敗して斜めにふにゃふにゃに切れることがあるのです。その時に頼りにしているのが、握って親指をあてる部分にある小窓とその中のイラストです。

正しい握り方を自然にアドバイスするデザインで、小窓の真ん中にイラストが来ている状態が、ラップに刃がきちんと当たっている理想的な状態なのです。自分が普段使う時には手に取って切っているだけで、握り方を意識して使っていなかったなと気づきました。私のように斜めにふにゃふにゃ切れてしまう人多いのだろうなあ、そんな人たちの行動よく見てくれていてありがたいなあといつも思っています。

商品やサービスを利用するユーザーがとる行動には何らかの理由があり、そこには解決のヒントや新しい気づきが潜んでいます。こういった「ユーザーの行動をマーケティング活動に活かしていこう」というのが今回のテーマです。

マーケティング活動でユーザー行動の把握 どうしてオススメするの?

企業は商品を購入させるために多くのマーケティング施策に取り組んでおり、例えばWebサイトもユーザーとの重要な接点になっています。Webサイトはスマートフォンの普及により、いつでもどこでも使え多くのユーザーに利用されるようになりました。

しかし、ユーザーは自分が必要とする情報がみつからないと「使えないなあ」と他のサイトを閲覧するし、ユーザーが許容できない冗長な操作を求めると「めんどうだなあ」と別の手段を選びます。このようなことが多いサイトでは、Webサイトを活用してマーケティング活動の目標を達成することは難しくなっていきます

ユーザー行動を分析し「ユーザーがどのような情報を必要としているのか」「操作をやめてしまったポイントはどこか」などを知り、次の施策に取り組むことでユーザーがサイト訪問の目的を完了しやすいサイトを作ることができます。また、ユーザーが思い描いた通りに操作ができると、ユーザーの満足度が高まり「もう一度使ってみよう」という意識を作ってもらえます。

ユーザーを離脱させずに目的にたどりつかせ、さらに操作の満足度を高めることでサイトへの訪問、再訪問が多くなり、マーケティング活動の目標達成に近づくことができます。

どうやってユーザー行動を把握するの?

ユーザー行動分析を把握するにはさまざまな手法がありますが、今回はWebサイトやスマートフォンアプリで私がよく使っている手法の一部を紹介します。

お悩みその1

【キャンペーンページの訪問者数が伸びたが応募数が伸びない】

ヒートマップツールをサイト内に組み込み、データを収集しました。収集したデータを分析するために、結果の活用方法から仮説を想定して適切なデータの切り方(セグメント)を考え、例えば「違う期間で同じ日数」や「同じ期間で訪問回数の違い」など複数のセグメントを使って分析をしています。それにより「閲覧されている量と人気の内容」などについて把握することができました。

お悩みその2

【販促プロモーションを目的としたスマートフォンアプリを、日常的に使ってもらうための仕掛けを確認したい】

ユーザー行動を確認しアプリ開発に生かすことを目的にユーザーインタビューを実施。スマートフォンアプリのモックを作成し、対象とするユーザーに操作してもらいました。インタビューで操作の感想をヒアリングしたところ、設計時点で考慮していなかった課題やターゲットユーザーならではのニーズを引き出すことができました。

ユーザー行動を把握するための手法はさまざまなものがありますが、「何が知りたいか」という目的にあわせて選定しています。詳しく把握するために時間をかけていくつもの手法を組み合わせることもあれば、スピーディーに結果を出して繰り返し調査することもあります。D2Cでは、目的に合わせて企画フェーズ、設計フェーズ、改善フェーズでユーザー行動を把握しマーケティングに活用できるように組み立てています。

ユーザー行動を把握する活動に興味がでてきましたか?

ユーザー行動を把握することは、マーケティング施策を成功に導き目標を達成するための有益な情報をもたらしてくれます。そして、把握・分析から得た情報をもとに施策を正しく組み立てることで、必ずユーザー満足を向上することができます

ユーザーを中心としてさまざまなモノやコトを設計・改善していく活動を「人間中心設計(Human Centered Design)」といいます。この「人間中心設計」、略して「HCD」には専門家資格認定制度もあり、私も「HCD-Net認定 人間中心設計専門家」の認定資格を取得しました。ユーザー行動の把握・マーケティングでの活用や「人間中心設計」について興味をもたれたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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