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ブレイン・ハンドシェイク技術まであと一歩かも

生体脳をコンピューターを介在してシンクロさせることに成功

2015年07月13日 14時31分更新

文● 行正和義 編集/ASCII.jp

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ラットの脳を用いたブレインネット実験の概要 

 米デューク大学(Duke University)のブレイン・マシン・インターフェース研究(Miguel A. L. Nicolelis氏の論文)が注目を集めいている。コンピューターを介在させてマウス4匹の脳を並列動作させる「ブレインネット」を用い、複雑な問題を解くなどの成果を上げている。

 7月9日に一般公開された論文によると、この研究は大脳皮質に数百の電極を装着、脳内神経活動を記録し、コンピューターで信号をフィルタリングした後、脳に信号を戻すというシステム。BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)として研究が進められている。デューク大学の研究グループでは、電極からの信号を応答で報酬学習を行なったラットを複数用意し、4匹をブレインネット接続した状態で一定の行動を取らせる訓練をさせたところ、協調動作で一定の成果を上げた。

電極を通して報酬(水飲み)時のニューロン活動を記録し、それに合わせた信号をフィードバックしており、単に脳の電気的信号を同期させているわけではない(クリエイティブ・コモンズ4.0における公開:Miguel A. L. Nicolelis)

 研究では、1匹のラットのみにある記憶(刺激に対する脳からの復号)を、ブレインネット接続した状態で別のラットから引き出すことに成功している。さらに研究では並列コンピューティングの技術を用いて、4匹のラットに温度と気圧の変化から降水確率を予測するという計算を行わせることに成功。1匹のラットよりも高い精度で答えを出したという。

 同研究の別プロジェクトでは、アカゲザルの運動制御と感覚信号を担う脳部分に電極を移植し、CGで作成された仮想3D空間内の腕でモノを掴む動作を訓練。2匹のサルをブレインネットで接続して行動させたところ、協調動作の訓練を行なうことなしにモノを掴む動作が短縮されたことが確認された。

サル2匹を用いた仮想の腕を動かす研究。マウスのように行動の条件付けを指定しない状態でも、2匹の連携によって1つの仮想腕の運動性が向上しているという(クリエイティブ・コモンズ4.0における公開:Miguel A. L. Nicolelis)

 どちらのブレインネット研究でもSFで描かれるような“思考を共有する”といったものではないが、研究が進むBMI(ブレイン・マシン・インターフェース)の次にあるBtBIs(Brain-to-Brain Interfaces)の可能性を示すものと言えそうだ。複数ラットの並列演算では将来的な有機コンピューターの実現に、サル2匹の運動・感覚の共有は神経信号で動作する義肢などの開発に繋がる可能性があるという。

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