2014年1月に東芝傘下となり再出発した、OCZストレージソリューション(旧OCZ Technologies、以下OCZ)。そのOCZから久々にSSD新モデル「Vector 180」が登場した。東芝製NAND採用で、高信頼性が特徴のハイエンドモデルとなっている。
19nmの東芝製A19nm Toggle NANDを採用
Vector 180は、OCZのコンシューマ向けSSDとして最上位として位置付けられている最新モデルだ。下の表にまとめたように、120GB、240GB、480GB、960GBと容量の異なる4モデルが用意される。
アクセス速度は容量によって微妙に異なっているが、シーケンシャルリードは全モデルとも最大500MB/Sec、シーケンシャルライトは240GB以上のモデルが530MB/Secと、SATA接続SSDとしてトップクラスのアクセス速度を実現する。
Vector 180の主なスペック | ||||
---|---|---|---|---|
容量 | 120GB | 240GB | 480GB | 960GB |
シーケンシャルリード | 550MB/Sec | |||
シーケンシャルライト | 450MB/Sec | 530MB/Sec | ||
ランダムリード (4KB/QD32) |
8万5000IOPS | 9万5000IOPS | 10万IOPS | |
ランダムライト (4KB/QD32) |
9万IOPS | 9万5000IOPS | ||
MTBF(平均故障間隔) | 230万時間 | |||
暗号化 | AES-256 | |||
耐久性 | 1日あたり50GBの書き込みで5年間 | |||
接続インターフェース | SATA 6Gbps | |||
本体サイズ | 99.7(W)×69.75(D)×7(H)mm | |||
重量 | 115g | |||
消費電力 | アイドル時:0.85W アクティブ時:3.7W |
|||
実売価格 | 1万4000円前後 | 2万3800円前後 | 4万4800円前後 | 8万3800円前後 |
OCZが東芝傘下となって以降、OCZ製SSDでは東芝製NANDを採用する例が増えており、Vector 180も製造プロセスA19nmの東芝製Toggle NAND(MLC)を採用している。
また、コントローラーには自社開発の「Barefoot 3 M00」を採用。このコントローラは、従来モデルの「Vector 150」で採用されていたものと同じで、OCZ自社開発のオリジナルコントローラーだ。
もちろん、ファームウェアも自社での開発となっている。東芝傘下になったことでNANDもグループ内のものとなり、事実上フル自社開発のSSDと言っていいだろう。
不意の電源断でもデータを守る機能
「OCZ Power Failure Management Plus」を搭載
OCZは、Vector 180の特徴として、従来モデルと比べて信頼性が高められている点を大きくアピールしている。その要因となるのが、NANDフラッシュメモリーの変更だ。
前述のとおり、Vector 180ではNANDフラッシュメモリーとして最新の東芝製A19nm Toggle NANDを採用しており、NAND自体の信頼性向上がSSD自体の信頼性向上につながっているという。そのため、耐久性は1日あたり50GBの書き込みで5年間の耐久性が保証されている。
そして、信頼性を高めるもうひとつの要因となるのが、「OCZ Power Failure Management Plus」機能の搭載だ。Vector 180は内部基板上にバックアップ用のキャパシターを搭載しており、不意の電源断時にはキャパシターから電力を供給するとともに、ファームウェアに用意されている独自制御によって、アクセス中のデータをNANDフラッシュに保存した後に安全にシャットダウンできるようになっている。
この機能により、万が一SSDへの書き込み作業を行なっている途中に電源が失われたとしても、データが失われる可能性が低下し、保存データの信頼性や整合性が高まることになる。
こういった機能は、エンタープライズ向けSSDでは採用例があるものの、コンシューマ向けSSDでの採用はほとんどなく、競合製品に対する大きな優位点となるはずだ。なお、製品の保証期間は5年間となる。
(→次ページヘ続く 「肉厚金属ボディを採用」)
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