望むのは研ぎ澄まされた“コンシェルジュウォッチ”
ライフスタイルを提案することが大好きなユニクロや昔のソニーのように、アップルの提唱するライフスタイルをほとんどそっくりにトレースしているユーザーなら、iPhoneを取り出す頻度はかなり低いのかもしれない。だが、筆者は結局、親機であるiPhoneを取り出してしまうのが日常だった。
Apple Watchを含め、スマートウォッチの究極の目的は「普通の腕時計を付けなくなった空いた腕につけるコンシェルジュ」だと思うのだが、ユーザーが求めるタイムリーな情報は人それぞれ、さまざまでなかなか厄介で難しいのが現実だろう。
何でもできる全部入りの現代スマートウォッチは、その目的を達成するもっとも身近にいるハードウェアだが、究極のキラーアプリケーションが登場するまでは、何でもできそうだが、何もできない時代が続く可能性も高い。
30年ほど前から過去2度ほど訪れた“腕時計コンピュータ”時代も、それらのアプリが登場しないまま、マニアックな世界で自然消滅したのが歴史だった。
ここ2年ほど、Google WatchやApple Watchをいろいろ使って筆者が本当に便利だと感じたのは、音声電話の着信通知、ネクストスケジュールの事前通知とTo Doアイテムの事前通知だけだった。
ほかのアプリは多少は便利であったとしても、現実を見れば、腕時計である必要性はなく、画面の大きなスマートフォンの方が圧倒的に便利な場合が多い。
クールなクリエイティブ系ユーザーを対象に登場してきたかのように見えるApple Watchだが、実際に適しているのは、時系列の単純作業のあれやこれやを複雑な組み合わせで順次処理するようなタスク管理に使うのが一番かもしれない。手首ににビンビンくる優秀なバイブレーションはそれらに最適なトリガーだ。
次世代Apple Watchは、完全防水対応で手袋でのタッチサポート、対環境温度の向上が実現すれば、ネット経由でシャワーのようにTo Doを降り下ろす工程管理クライアント現場端末になれるだろう。
スマートウォッチの世界は今後、何でも対応できる汎用タイプのスマートウォッチは姿を消し、健康管理系、スポーツ系、現場管理系、ビジネスアドミ系など、多岐に分化して研ぎ澄まされたベストな機能を提供してくれる“コンシェルジュウォッチ”に成長して登場して来てほしいと願っている。
期待すべきは従来のICT系企業ではなく、専門分野の企業と提携した歴史的腕時計ブランド企業なのかもしれない。
今回の衝動買い
アイテム:Apple Watch 42mmステンレススチールケースとミラネーゼループ
価格:9万504円で購入
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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