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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 ― 第62回

Apple Watchの試着体験で思ったこと

2015年04月21日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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Apple Store表参道でのApple Watchの試着体験。しっかりと15分間、Apple Watchについて店員さんと話し合う、濃密な時間。Apple Watchのことを深く知る最適な場所であることがわかります

 今回は1ヵ月と長期の日本出張になっています。桜の季節にギリギリ間に合い、しかしながらあまり晴れない菜種梅雨が続いている昨今。ゴールデンウィークまでには、もう何日か、晴れやかな休日を過ごしたいところです。

 それにしても、久々に東京に帰ってくると、その時間の経過や使い方の違いに、少しだけオーバーヒート気味になっている自分に気づきます。

 朝早めに起きて原稿を書き始めるというのは米国・バークレーでも変わりませんが、そこから3件、4件と人に会う約束ができます。米国だと広すぎて、よくて2件ですが、1件打ち合わせを入れると、行き帰りのクルマ移動に苦労します。

 また夜も、0時を過ぎてもお店が営業しているため、長い1日の仕事を終えてもちゃんと食事ができます。これも、米国では、お店が開いてなくてできないからどうしようもないという部類の体験と言うことになるわけです。

 そして何しろ、東京での移動はとにかく歩く。iPhoneの「ヘルスケア」アプリで毎日の歩数や上がった階段数を見ていますが、バークレーでは心して歩かなければ1万歩を超えないのに、東京では平気で2万歩を超えます。

 そしてさらに驚くことは階段を上がった階数。あちらではせいぜい1日3~5階分しか上がらないフラットな生活を送っていますが、東京だといきなり45階という表示……。どれだけ東京は起伏に富んでいるんだろうと。基本的には地下鉄の階段なのですが。

米国はApple Watchを生かせる街の仕組み

 そんな日米の歩くライフスタイルの違いを枕に、Apple Watchの話です。米国での生活では、クルマ移動の際、そしてランニングに出かける際、確かにApple Watchは有用そうなのです。スマートフォンをフル活用出来ない状況が存在し、そこをApple Watchが埋めるという考え方です。

 一方の東京の電車内は基本的に「スマホ凝視」の風景が見えます。これがApple Watchに置き換えられるか? と考えてみたときに、電車内で立っていて、よほど荷物が多くなければスマホが手に取れないということはないでしょう。その場合、わざわざ手首の小さな画面を使う必要はありません。

 そんなわけで日本でも、やはりスポーツ重視の需要から立ち上がっていくのかな、と思いました。ただ1点、前述の通り1日2万歩、45階分も階段を駆け上がるハードな東京のライフスタイルにおいては、日々の移動が軽いスポーツ状態になっているのではないか、と感じる節もあります。

 ポケットの中に入っているiPhoneの通話、メール、LINEなどの着信、基本的には気づかず目の前の階段に立ち向かうわけです。おそらくApple Watchを着けていれば、そうした着信をミスすることはないでしょう。1点。Apple Watchに対応したLINEアプリ、時計でメッセージを扱うとき、どこまで見ると“既読”になるんでしょうかね?

Apple Storeで時計を買う

 4月10日に予約と試着が開始されたApple初のウェアラブルデバイス、Apple Watch。iPhone 4並の処理性能を持ち、無線系やメモリなどをパッケージしたS1を搭載し、しかしこれを極力休ませながら、17時間(=1日)のバッテリー持続性を持たせた手首に乗せるコンピュータです。

 4月10日に世界中で予約が押し寄せ、今から予約しても届くのは6月。もう少し早く届けられるのでは? との声も聞かれますが、とにかくこれまで各メーカーが売ってきたスマートウォッチの台数を1日で軽々と上回る人気ぶりですね。

 Apple Storeは時計を展示・試着する専用のテーブルが配置され、試着予約のシステムが導入され、行列を作らなくても試着時間までコーヒーを飲んで待つ事ができるようになりました。

Apple Storeの時計試着専用テーブル。引き出しを開けると、Apple Watchがずらり。好みのサイズ、バンドを選びながら試すことができるようになっています

 Apple Storeが、時計を買う場所としての性格を持ち始めたのです。

 ときどき日本のテレビ番組で、高級時計を買っている(買わされている)番組を見かけることがあります。その企画は善し悪しはとにかくとして、試着を渋々繰り返し、決心して結果的にパテック・フィリップの時計を買っていきますよね。

 パテック・フィリップは世界三大時計メーカーに数えられ、「一生もの」のブランドを確立しています。1839年創業で、Apple Watch Editionの価格が最低ライン(つまり100万円以上)の価格がつけられています。

 時計のブティックに連れてこられたとき、脳裏によぎるのは数百万円の出費。確かにお店に入るときに嫌がるのもわかります。もしもApple Storeが時計を買う企画の行き先になっても、今の段階では、あそこまで嫌がることはなさそうですね。


(次ページでは、「Apple Watchはどれだけの長さ、付き合える存在なのか?」)

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