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獲るぞ二連覇!ベンツで挑む初音ミクGTプロジェクト8年目 第2回

初音ミクSLS、天候に悩まされた開幕戦は粘りの5位!

2015年04月11日 17時00分更新

文● 末岡大祐/ASCII.jp編集部 写真●鉄谷康博、加藤智充

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読めない天気、ライバルの速さ
クルマが変わっても厳しさは変わらないのがGT

 このピットイン、非常に難しい判断だった。すでに雨は止んでおり、路面も乾きつつあったのでスリック組が息を吹き返しつつあった。このまま雨が降らないならスリックがいいが、また雨が降ってくるという情報もあり、チーム首脳陣は片岡選手にもうちょっと引っ張ってもらい、議論を交わしていた。その結果、雨が降ると読んでインターではなくレインタイヤ(深溝)を装着。谷口選手にステアリングを託したのだった。

 順位を落とすことなくコースに復帰し、44周目に77号車を抜き返すことに成功。さらに予想通り雨が降ってきて、目の前の10号車をパス。4位を走る86号車は15秒近い差があったが70周目付近で約6秒にまで詰めていた。谷口選手はさらにスパートをかける。残り0.5秒のところまで追い込み、テールトゥーノーズになったものの、残念ながらファイナルラップとなってしまい、結果5位で開幕戦を終えた。

 2012年からの岡山連続表彰台の記録は途切れてしまったが、路面状況がコロコロ変わる難しいレースを、無事に5位で帰ってこられたのは悪くない結果だ。ライバルたちも明らかに速くなっているので取りこぼさないことは最重要だと言える。ここで獲得した6ポイントはシーズンを通じて大きく影響するだろう

 次戦はZ4で勝率が高かった富士スピードウェイ。GWまっただ中の5月2~3日に開催される。ここで大量のポイント獲得を期待しつつ、全力で応援しよう!。

今年からSUPER GTのサポートレースになったFIA-F4。そこにミクSLSのメンテナンスガレージ・RSファインから若手(10代)の河野駿佑選手、平木湧也選手がミクカラーで挑戦! なお、2012年までGSRのドライバーだった番場 琢選手もエントリーしている

関係者コメント

安藝貴範 代表

 開幕戦としてはまわりの状況がわからない中で、よく戦ったかと思います。ピットインのときのタイヤ交換ですが、かなりチーム内でも議論が起こりました。これから晴れていくだろうという人、いや雨がさらに降るだろうという人。タイヤを全種類並べて、片岡選手にはもうちょっと周回数を伸ばしてもらって、話し合いました。その結果、レインでいくことになったのですが結果的には正解でしたね。あれで外してしまうと、もう1回ピットインせねばならず、40秒はロスしてしまいますから。

 今回のレースを通じて、ほかのチームの様子も見えてきたので、これからは作戦も立てやすくなるのではないでしょうか。

片山右京 監督

 5位という順位だけ見ると惜しかったかもしれないけど、みんなが非常に努力したからこの順位まで上がれたんだと思います。とくに最後の86号車は抜こうと思えば抜けたかもしれないけど、シーズンを通して考えた場合、あそこでリスクを犯して抜くのは恐かったよね。そういう意味でもベストの5位であることは間違いないでしょう。

 次の富士は、SLSのセッティングの方向性も見えてきたし、富士ならストレートスピードが速いから有利だし、今回勝ったマシンもウェイトを積んで苦しくなるから勝てるかもしれないね。取りこぼしをしないのは今シーズンはとくに重要です。それくらい競争が激化していますから。

大橋逸夫 コミュニケーションディレクター

 今日のレースは最後までハラハラさせられる展開でした。アウディの前にいけなかったのは残念ですけど、ベストな結果ではないかと思います。トラクションがかかるクルマとか、履いているタイヤとか、明らかに速い要因があるところが上位でしたね。

今年はパッケージができあがっているチームも多いので、足下をすくわれないように毎戦ポイントを取りこぼさないようにしていくのが大事ですね。

谷口信輝 選手

 今回は正直なところみんなで「勝ちにいくぞー!」というほどクルマも煮詰まってなく、どちらかというと「表彰台に立てればいいな」という感じでした。予選7位も上出来だったし、決勝も雨に翻弄された難しいレースだったけど5位に入れたのは良かったかなと。

 前の集団は速さが違ったし、目の前の86号車も抜けそうだったけど、無理に抜くのはちょっとリスキーでした。とりこぼししているライバルもいる中で、6ポイント取れたのは大きいと思います。今日の結果で今年の勢力図が見えましたね。

片岡龍也 選手

 結果から言うと5位だったので、僕の7年連続表彰台は逃してしまいました。しかし、JAF勢の速さを考えれば5位は上出来だと思いますし、納得しています。まあ、GT3勢の中では3位ということで。

 僕らのチーム力はクルマが変わっても健在で、今日はこのクルマが持っているポテンシャルの中ではベストなレースができたと思います。SLSは岡山が一番苦手だと思うので、今後に期待したいと思います。


(次ページでは、「お待ちかねのレースクイーン特集!」)

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