3月17日、Windows公式ブログ上で開発中の次期OS「Windows 10」の販売開始時期を2015年夏とし、世界190ヵ国・111言語でリリースすると発表した。Windows 8.1の後継OSとして、いろいろな機能のブラッシュアップが行われている。
この連載ではプレビュー版の「Windows 10 Technical Preview」を利用し、Windows 10の新機能の紹介、解説する。
Windows 10にももちろんクラウドストレージアプリ「OneDrive」は搭載されている。しかし、Build 10049の「OneDrive」はWindows 8.1やWindows 10の初期ビルドとは一部の機能が変化している。もっとも大きい変化は、「スマートファイル」の廃止だ。
スマートファイルとは、OneDriveのフォルダーを開くと、クラウド上にあるファイルやフォルダーはすべて表示されるものの、実データは必要になるまでダウンロードしない仕組み。エクスプローラーにはプレースホルダと呼ばれるカタログ的な
アイコンが表示され、開いたり実行したりするとその都度ダウンロードされる。当然、インターネット接続が必要だが、ストレージ容量の小さいノートPCやタブレットでは重宝する機能だった。しかし、Windows 10の最新ビルドではこのスマートファイル機能が使えなくなっている。ストレージ容量が乏しいなら、「フォルダーの選択」機能で、同期するフォルダーを指定することになる。
スマートファイルは、Dropboxなど他のクラウドストレージにはない機能で、OneDriveの大きなウリだったのだが、非常に残念。すでにWindows 10TPを試用しているユーザーから多数の批判的なフィードバックが寄せられている。そのため、1月7日にマイクロソフトの「The OneDrive Blog」でコメントを公開した。
Windows 8.1では、アプリによってはプレースホルダのファイルにアクセスできないケースがあるという。また、インターネット接続のスピードによっては、アクセスがタイムアウトになることもあるとのこと。そのため、ユーザーが混乱することになり、信頼性を高めるために「スマートファイル」方式を止めたとある。
筆者としては、Windows 8.1で不具合に遭遇したことはないが、すでに現行のOSで動いている機能を廃止するのだから、何らかの理由はあるのだろう。しかし、そこは何とか復活させてほしいところ。ユーザーからのフィードバックや提案を送信してくれ、とも書いてあるので、今後また変化する可能性もある。
Windows 8.1のデスクトップアプリ「OneDrive」の設定画面
Windows 8.1の「PC設定」にある「OneDrive」の設定画面
Windows 10で「OneDrive」の設定画面を開くには、タスクトレイのアイコンを右クリックし、「設定」をクリックする
Windows 10での設定画面。「フォルダーの選択」や「パフォーマンス」といったタブが追加されている
(次ページ「最新の「OneDrive」は、フォルダーを選択して同期する」へ続く)
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