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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第123回

HTCのCEOが交代、スマホコモディティー化時代をどう生き残る?

2015年04月01日 12時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII.jp

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大型画面の新モデルで中国市場を強化か?

 最後に米国で発売が迫るHTC One M9について。台湾で3月27日に発売された模様だが、米国でも3月27日に受注を開始し、店頭には4月10日頃に登場すると見込まれている。

より上質なデザインになったHTC One M9だが、これまでのHTC Oneシリーズの延長線にあるのも確かだ

 もっともHTC One M9が成功するのかとなると、そう簡単にはいかないだろうと感じる。MWCで発表された同機種はHTC Oneラインを踏襲したデザインで、カメラやスピーカーなどが改善しているものの“新しさ”については疑問だ。コアのHTCファン以外が、あえて選択肢に入れる端末のようには見えない。価格を下げるなどの工夫が必要になってきそうだ。

 だがこれは、多かれ少なかれ、その後登場するSamsungのGALAXY S6でも同じことかもしれない。iPhoneユーザーの多くはiOSからAndroidへの乗り換えはあまり考えておらず、残りのパイをAndroidベンダー同士で分けることになる。

 Samsungだから、HTCだからという理由だけで新機種を購入する人は多くはない。さらに大きなパイとしてみると、Androidがコモディティー化しており、メーカーにとってはブランド化が難しい市場となっている。「差別化」「イノベーション」などと、どこのメーカーも口にしているが、価格競争力のある中国ベンダーが成長を楽しんでいるのが実情だ。さらにはその中国ベンダーもハイエンド戦略にシフトさせつつある。

 そのようなこともあってだろうか、HTCは4月8日に北京で「One M9 plus」の発表イベントを催す予定だとか。大型になった画面(5.2型と予想されている)で中国ユーザーにアピールする狙いがあるのかもしれない。


筆者紹介──末岡洋子


フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている

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