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第131回 業界人の《ことば》から

VAIO Zは、どこまでVAIOという会社を表現できているのか

文●大河原克行

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VAIOは、格安スマホの常識に一石を投じる

VAIOスマホのパッケージ。パートナーである日本通信が公開した

 さらには、日本通信とのスマートフォンに関する協業についても、他社との積極的な協業のひとつとして言及した。

 関取社長は、「後日、日本通信から正式発表がある」としながら、「VAIOの自由だ、変えようという決意は、パーソナルコンピュータに限ったものではない。SIMロック解除という動きがあるなかで、VAIOは、この市場にも一石を投じる」と意気込む。

 そして、こうも語る。
 「スマホ事業は厳しいのは百も承知。そこに、ハードウェアだけで勝負しようとは思っていない。単なる格安スマホというハードウェアだけの観点だけでなく、通信とのパッケージ、あるいは店舗との連携によって、取り組んでいく」とする。

 パートナーである日本通信は、1月30日の2014年度第3四半期決算発表において、VAIOスマホのパッケージだけを公開した。

VAIOスマホと、好評を得ている日本通信のサービスとを組み合わせることで、価値をさらに高めるという

 その場において、日本通信の福田尚久副社長は、「VAIOというブランド力を持った製品を提供することは、あの製品が欲しいという選択肢を、MVNOとして提供できることにつながる」と語る一方で、「VAIOスマホを単に提供するだけでなく、12月に発売して好評を得ている、3Gbpsまでの通信環境を定額で使える『高速定額使い放題』、現在使っている固定電話の番号を携帯電話でもそのまま使える『03スマホ』といったサービスと、VAIOスマホとを組み合わせることで、価値をさらに高めることになる」と語る。そして、ダイワボウ情報システムをはじめとするパートナー各社を通じた販売体制の構築も、VAIOスマホの販売拡大に弾みをつけることになるとする。

 VAIOスマホの事業は、PC事業とは異なり、製品単体の競争力だけで戦うつもりはないようだ。VAIOが提案する製品力に、日本通信の通信サービスを加えることで、この市場に一石を投じる姿勢だ。

 格安スマホ市場において、これまでの格安スマホの常識が通用しないモノづくりが、VAIOスマホで見られそうである。ここにも、自由で、固定概念をぬぐい去るVAIOの風土が生きることになりそうだ。

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