米マイクロソフトが発表した2015年度第2四半期(2014年10月〜12月)の業績は、売上高が前年同期比8.0%増の264億7000万ドル、利益は1.0%増の163億3400万ドルと、増収増益となった。
6四半期連続で3桁の成長率を達成したクラウドビジネス
なかでも特筆できるのが、クラウドビジネスの成長だ。6四半期連続で3桁の成長率を記録。同社が掲げるクラウドファーストの戦略に則って、クラウドビジネスを拡大していることがわかる。
第2四半期の法人向けクラウドサービスの売上高は前年同期比114%増。「Office 365」「Microsoft Azure」、そして「Dynamics CRM Online」といったクラウド製品が好調で、年間55億ドルの売上高達成に向けて着実な歩みをみせているようだ。
米マイクロソフトのケビン・ターナーCOOは、「マイクロソフトは、世界中の顧客やパートナーのクラウド移行支援にフォーカスしている。マイクロソフトのサービスおよびソリューションに、モデルミックスをシフトしていくための支援を行っている」と、クラウドへのシフトを積極的に加速している姿勢を示す。
法人向けOfficeは前年同期比13%減、個人向けは25%減
Office 365の個人ユーザー契約者数は30%増
クラウドビジネスの拡大は、マイクロソフトの収益構造に少しずつ変化をおよぼしている。たとえば、オンプレミス型となるオフィス製品およびサービスの売上高は、前年同期比1%減とマイナス成長。法人向けのOffice製品は前年同期比13%減、個人向けOffice製品は25%減という状況だ。その一方で、クラウドサービスとなるOffice 365の個人ユーザー契約者数は、前期よりも30%増加し、920万人以上に拡大した。
第2四半期決算ではまだまだ規模は小さいものの、クラウドファーストへのシフトが進んでいることを数字上でも明確に感じられるものになったといえるだろう。
もうひとつの柱、「モバイルファースト」は?
一方で、もうひとつの柱とする「モバイルファースト」は少し時間がかかっているようだ。
携帯電話事業は、23億ドルの売上高を達成。ノキアの買収によって得たスマートフォン「Lumia」シリーズで、同四半期だけで1050万台を販売。過去最高を記録している。さらにLumia以外の携帯電話の販売台数は3970万台に達した。
だが、アップルが発表した同社第1四半期(2014年10月〜12月)のiPhoneの販売台数は7450万台。サムスンもほぼ同等規模の携帯電話を出荷しているとみられ、その差はまだまだ大きい。
また、クリスマス商戦を含む時期であるにも関わらず、携帯電話の売上高が前四半期の26億ドルを下回ったというのも気になるところだ。低価格モデルの販売が増加したのが要因だとみられるが、まだまだアクセルを踏み切れていない状況が浮き彫りになったとはいえまいか。
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