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Apple Geeks 第160回

iPhone/iPad用「外部メモリー」はこう選べ!

2015年02月06日 07時00分更新

文● 海上忍(@u_shinobu

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メディアファイルの再生機能

 メディアファイルの再生機能も重要だ。iOSには各種メディアファイルを再生/プレビューするフレームワークが用意されているため(参考)、JPEGやMP4ムービーといった主要フォーマットは難なく再生できるが、WMVやMKVなど対応しないフォーマットも多い。オーディオファイルもM4A(コーデックはAACやALAC)はOKだが、OggやFLACは非対応だ。

音楽再生中にアプリを終了し、起動し直すとこのようなダイアログが現れる。メディア再生フレームワークにVLCが使われていることがわかる

 iXpand syncで注目すべきは、メディアフレームワークに「MobileVLCKit」を利用していること。その名が示すとおり、MacやWindowsなど多くのOSで動作するメディアプレイヤー「VLC」のモバイル環境向けコアであり、WMVやMKV、OggやFLACなどVLCがサポートするフォーマットの大部分をサポートする。簡単にいえば、VLCの再生機能がアプリに含まれているのだ。再生した音はAirPlay/Bluetoothスピーカーに出力できるので、楽しみ方も変わらない(iOS標準の「音楽」と別管理にはなる)。

VLCのリソースを生かせるため、FLACやALACなど多様なフォーマットを再生できる。標準装備の「音楽」とライブラリーは別になるが、非圧縮/ロスレスの音源を持ち歩きたいユーザーにはありがたい存在だ

 ハイレゾ品質(96kHz/24bit)のFLACを試してみたところ、特に支障なく再生できた。iPhone内蔵DACの仕様上、出力時には48kHz/16bitに丸められてしまうが、普段はUSBメモリーとして高級オーディオコンポで聴くハイレゾ音源をiPhoneでも再生したい、という用途には使える。容量がかさむハイレゾ音源なだけに、外部メモリーに保存しておくという使い方はアリだろう。

iXpand syncの気になる点は?

 気になる点もある。ひとつは、バックグラウンド再生に対応しないこと。音楽を再生中にアプリを閉じると、そのまま再生が止まってしまうのだ。MobileVLCKitがiOS標準のフレームワークほどにはこなれていないのか、ビデオ再生の開始直後に途切れてしまったり(H.264/フルHD/30fpsのムービーでテスト)、FLACの再生時に曲名やアーティスト名が表示されない問題も確認できた。

MacはもちろんiPadとのデータ受け渡しに利用可能

 ともあれ、内蔵ストレージに乏しいiPhoneにとって外部メモリーが「手もとにあると心強い存在」であることは確かだ。データ転送速度に優れるうえ、MacはもちろんiPadとのデータ受け渡しに利用でき、セットアップの手間もかからない。ただ、iPhone/iPadで使う場合は専用アプリが不可欠であり、その完成度に使い勝手が大きく左右される、という点は念押ししておきたい。

iXpandにコピーしたファイルはAirDropで転送可能。数枚の写真をMacに転送するために、iXpandを差し替える必要はない


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