新工法の天板、そして液晶ディスプレー部分の軽量化
では軽量化のためにどのような試みが用いられたのか。
ひとつは天板にマグネシウムリチウム合金の鍛造という新しい工法が用いられたこと。LaVie Zの従来機種(関連記事)では底面にマグネシウムリチウム合金、キーボード面にマグネシウム合金、天板にマグネシウムリチウム合金が用いられていたが、成型にはいずれも型に流し込んで成型する鋳造(ダイキャスト)と呼ばれる工法が用いられていた。
一方新モデルの鍛造は、叩いて成型する工法で、金属内部の空隙を減らすことで強度を保ちつつ軽量化できる。
またタッチパネルはダイレクトボンディングと呼ばれる仕組みを採用。簡単に言うと、タッチパネルと液晶部分を貼り付けて視差などを減らす工法だ。さらにLaVie Hybrid ZEROではパネル表面の部分に一般的なガラスではなく、ハードコーティングで強度を保ったPET(ポリエステル)フィルムを用いているため、軽量化にも一役買っている。液晶パネル自体も軽量化しているが、筐体と一体成型にすることで、金属フレームを省けるという面での軽量化も盛り込んでいる。
スペック面では、上位モデルでは最大8GBメモリー(LPDDR3)を搭載。さらに念願のデュアルチャネル化も果たした。SDXCカードスロットは高速なUHS-II対応(最大毎秒312MB)となり、ヤマハ製AudioEngineなども搭載する。なお、液晶ディスプレーはこれまでWQHD解像度の上位モデルのみIGZO搭載だったが、フルHDパネルの機種でもIGZOタイプとなるなど、CPU以外の部分でも着実な進化を遂げている。
細かく見ると違う、タッチとノンタッチ
外観を確認しながら、使用感を見ていこう。まずタッチパネル付きのモデル(HZ750/A、HZ650/A)と、そうではないモデル(HZ550/A)の違いから。タッチパネルの有無により、重量に差があるのは従来機種と同様。公称のバッテリー駆動時間にも差が出ているが、軽量化のため、内蔵するバッテリー容量にも差を付けているのだろう。
よく似た外観だが、実は奥行きにも差がある。わずかに(5mmほど)ノンタッチのHZ550/Aのほうが奥行きが少ない。パームレスト部分のデザインも異なっていて、写真を見るとHZ750/AとHZ650/Aには手前にスリッドのような溝がある点が分かるだろう。
これはタブレットモード時にアンテナ性能を確保するため、プラスチック製の別パーツを利用しているためだ。
またHZ750/A、HZ650/Aが持つ側面の音量調整ボタンも、HZ550/Aでは省略されている。より軽くという意図に加えて、タブレット操作時にキーボードが後ろに回ってしまうHZ750/A、HZ650/Aでは、キーコンビネーションで音量調整がしにくいという理由もあるのだろう。USB 3.0端子はいずれも片側に2系統。ほかはSDXCカードスロットとフルサイズのHDMIのみというシンプルな構成は3モデルに共通している。