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正社員でも週イチ出社・4日在宅な雇用も実現 未来の働き方を科学する転職・求人メディアParaft

2014年12月10日 08時00分更新

北島幹雄(Mikio Kitashima)/大江戸スタートアップ

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 リモートワーク、早朝出勤、副業OK……テクノロジーの進展による働き方のパラダイムシフトを求める動きが企業にも広がり始めている。

 12月10日、リライドは、未来の「働き方」を科学する転職・求人メディア「Paraft(パラフト)」を開始。正社員雇用を前提としながらも、就業者が働く場所や時間を選択できる働き方を導入している、あるいは導入を検討している企業の求人情報を掲載する。サイト上では求人掲載企業、求職者のメールアドレス登録を募集しており、2015年2月よりβ版として20社前後の求人募集をスタートする予定だ。

 サービスを運営するリライドによれば、すでに10を超える企業から掲載の要望があり、まずは首都圏のIT人材を対象にサービス稼働、その後は2015年内に全国主要都市へのサービス拡大を目指すという。

 リライドの中川亮代表取締役は、フリーランスによる働き方活用サービス「PROSheet(プロシート)」を運営するシェアゼロも手掛けており、パラフトの立ち上げによって、フリーランス・正社員それぞれの求人サービスを手掛ける形になった。新サービスの開始にあたって、中川氏に狙いを聞いた。


実際に週1だけの出社はどうなのか

 IT業界では在宅勤務に対して積極的な面があるが、一方で米ヤフーでは昨年6月、在宅勤務の従業員にオフィスで働くことを求める方針を通達している。パラフトでも完全な在宅勤務は設定されておらず、1~4日の範囲で設定され、週5日間のうち少なくとも1日の常駐を必須としている。

 週5日の出勤が前提ではない、正社員雇用の求人サービスを実施する理由を中川社長に聞くと「導入におけるコストメリットが強い」という。SlackやSkypeといったメッセージや通話サービスを使って、社内のコミュニケーションを解決するITベンチャー企業も多くなっている。「対面が必要なことはもちろんあるが、全員が集まる日は何回かあればでもいい。例えばお子さんがいるような場合、正社員で定時に帰らなくてはならない場合もある。すると、同じチームだと仕事は残りのメンバーで分割となってしまうケースが多い。」(中川社長)

 だが、実際に週1だけの出社はどうなのだろうか。中川社長によれば、自社のエンジニアを対象に、遠隔で場所と時間を選ばない働き方を実験している最中だという。「サービスを提供する自分たち自身ができないと意味がない。今後はさらに改善できると思う」(同氏)

 在宅勤務のスタッフと朝会・夕会をスカイプで行う企業や、週一のMTGをやっている企業がすでにあり、IT企業なら現実的にリモートワークはできてしまう。また、経理や事務といった業務こそ一緒にいないといけないわけではないと中川社長は語る。

 さらに、働き方の幅を広げることは、採用する側のメリットとして今まで出てこなかった人がでてくる効果もあるという。そもそも社員採用はコストがかかるが、どうしても必要な人材は人づてに頼っている企業も多い。一般的な求人サービスでの成功報酬は成約1人あたりで約数十万円。採用担当の人件費も含めてコストを計算すると、正社員の採用にかかる費用は高く、すぐにでも拡大が必要なベンチャーにとっては死活問題だ。

 ただ海外を見れば、YahooもGoogleやTwitterも、完全な在宅勤務を推奨してはいない。これについては海外同様に「日本でもフルリモートはダメ」だと中川社長は語る。

 同様の目的をもったものとして、ヤフージャパンでの「どこでもオフィス」制度の取り組みを例にあげた。全社員が月2回、会社以外のどこでも仕事ができる制度で、もっとクリエイティブな環境で仕事を、という同社の宮坂社長の方針で始まったものだ。(関連リンク)

 

 長い時間日本に根付いてきた、同じ時間に出社して、同じ場所で働き、みんなと同じ時間に帰る働き方。そもそも海外とは前提も異なっており、こと日本においては、一部在宅や、時間帯シフトといった新たな働き方の模索は経済的にも可能性を秘めていると中川社長は語る。

 

見えない優先順位をあぶりだす

 パラフトには求人機能だけではなく、メディアの側面もある。企業側に対しては、「働き方」についての成功事例の提供やフレキシブルな働き方の導入のサポートを行うという。また、「集積されたデータの調査・分析」を行い、求人におけるマッチングの自動化も進める予定だ。

 最近の傾向では、求職側は自らを必要としてくれる会社を選ぶ傾向にあるという。だが一方で、企業側には見えない優先順位も存在している。「歓迎するスキルと必須のスキル、それだけではない条件が数多くあり、また転職する側にも譲れる条件がある。だが、どちらからもそのような条件は、半分以上が出ていない。これをあぶり出したい。よく言われるようなキャラクターや性格といったコミュニケーション能力も、具体化させている企業は少ない。そうすると、本当に企業が求める基準が見えない。採用担当の基準を数値化できることが重要。例えばオンラインで質問形式、誘導ロジックを考えたほうがコストは下がる。」(中川社長)

 パラフトが目指すのは、求職者に対する「働き方」という旧来の求人メディアでは抜け落ちていた視点でのサポート強化だ。『旧来の求人掲載情報 + 「ハタラキカタ」の選択という新たな角度からの挑戦』は、はたしてどのように進むのか。国内ワークスタイルの転換を図る、新しい価値観の誕生に注目したい。


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