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よくわかるExpress5800!第3弾はロングセラーの無停⽌サーバー

障害時も無停止!止められないシステムに最適な「ftサーバ」とは?

2014年12月09日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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「Express5800シリーズ」のこだわりを紹介するコーナーの第3弾は可用性向上のためハードウェアを完全に二重化した「ftサーバ」。NECの小関靖治氏に、ロングセラーを実現した製品のコンセプトやこだわりポイントについて説明してもらった。

サーバー2台が⼆重化されたftサーバのアプローチ

 ftサーバのftとはFault Tolerant(耐障害性)の略。つまり、ハードウェアの故障が発生しても、システムを止めないサーバーという意味だ。これを実現するために、ftサーバではハードウェアの完全な二重化を行なっている。つまり、1つの筐体内にサーバー2台分の主要な部品が内蔵され、その部品がまったく同じ動作することで1台のサーバーとして機能するというのがポイントだ。これなら一方で障害が発生しても、もう一方のサーバーで処理を継続できるわけだ。

1つの筐体にサーバー2台分の部品を内蔵するftサーバ

 サーバーが満たすべき基本的な三要素といえば、信頼性、可用性、保守性(Reliability、Availability、Serviceability)の3つである。このうち、信頼性と可用性を実現するアプローチとしては、複数のサーバーをソフトウェアによって並列化するクラスタリングと、ftサーバのようなハードウェアの二重化の大きく2つがある。このアプローチの違いに関して、NECの小関靖治氏は、「従来のクラスタリングがシステム全体の可用性向上を目指しているのに対し、ftサーバはサーバー単体の可用性を目指しています」と説明する。

NEC プラットフォームビジネス本部 プラットフォーム商品企画グループ 主任 ⼩関靖治⽒

 ftサーバの歴史は古い。UNIXや専用OSを搭載したフォールトトレラントサーバーの開発を専門で手がけていたストラタス社とNECがパートナーシップを組み共同開発されたWindowsベースの初代ftサーバが登場したのは、2001年にさかのぼる。当時のCPUはPentiumⅢで、その後Xeonを搭載したモデルが登場。2006年にはNEC独自開発のサーバー二重化制御用LSI「GeminiEngine」搭載したモデルを発売した。第6世代となるR320d-M4およびR320c-M4/E4では、最大で10コア対応の最新CPUを搭載し、WindowsやHyper-V、VMware、Red Hat Enterprise Linuxなどをサポートしている。

ポイント1 システムを止めない

 ftサーバの最大の特徴は、やはりシステムを止めないこと。前述の通り、ハードウェアの主要部品を二重化し、つねに同期が取られているので、万が一、HDDや電源、冷却ファン、CPUやチップセット、I/Oカードなどに障害が発生しても片系で連続稼働できる。障害時のモジュール交換もシステムを止めずに行なえ、交換後は速やかに二重化処理に復帰。クラスタリングのように切り替え時間を必要としないため、安心して業務を継続することが可能だ。

2つのサーバーがあたかも1台のように動作するftサーバ

 ここまで簡単に説明しているが、2つのハードウェアのペアを完全に同期させて動かすのは、きわめて難しい技術だ。NECはインテルと共同で、CPUのクロック単位で完全に同じ動作を維持するロックステップ技術を開発し、これを「GeminiEngine」という制御用LSIで、CPUやメモリに負担をかけず二重化を実現している。また、データの書き込みはRAID1でのミラーリング、I/Oデバイスの二重化制御はソフトウェアで実施。非常に高度な技術によって、ハードウェアを同じように動作させ、障害時でも事実上の“無停止”を実現しているわけだ。

ポイント2 特別な設定は不要

 ftサーバはOSのハードウェアに近いレイヤーに制御ソフトとドライバーを組み込み、2つのハードウェアを1つに見せかけている。そのため、OSやアプリケーションに二重化を意識した特別な設定は不要で、Windowsのソフトウェアもそのまま動作する。

特別な設定不要で、Windowsのソフトウェアがそのまま動作する

 OSはもちろん、VMwareやHyper-Vなどの仮想化基盤もサポートしており、特別な設定をせずに利用できる。

 最近では、仮想化によるサーバー統合が進み、サーバーにトラブルが起こった場合の影響が深刻になっているが、「ハードウェア障害が発生したら、上に載っている複数の仮想マシンがすべて使えなくなります。『卵は1つのかごに盛るな』というリスク分散の格言がありますが、仮想化の現状は、まさにこの逆になっています」と小関氏は指摘する。こうした仮想化の基盤としても、簡単に高い可用性を導入できるftサーバのメリット はきわめて大きいという。

ポイント3 PCサーバーの価格帯で⾼い可⽤性

 3つ目のポイントは、PCサーバーの価格帯で導入できるという点だ。従来、可用性や信頼性の高さは、そのまま導入コストに比例していた。落ちないサーバー、無停止のサーバーを選択しようと思うと、従来はおのずと高価なハイエンドサーバーを導入するしか選択肢がなかった。もちろんクラスタリングソフトという設定もあるが、設定や運用は簡単ではない。

 その点、ftサーバーは手軽でシンプルな高可用性ソリューションだ。2台のPCサーバーをペアで同じように動かしておき、1台に障害が起こっても、サービスを継続し続けるというきわめてシンプルな仕組み。このため、お手頃価格で導入でき、導入も容易だ。もちろん、サーバー2台分の金額というわけにはいかないが、ハイエンドサーバーに比べて、きわめて安価であることは間違いない。また、ftサーバとクラスタリングを組み合わせることで、さらに高い可用性を目指すことも可能だという。

クラスタリングとftサーバの⾼可⽤性アプローチの違い

ftサーバはこんな企業がオススメ

 ftサーバは2001年の発売開始以来、2013年度までに国内で累積1万6000台以上の販売実績を誇っている。導入業種も製造、医療、流通・小売り、官公庁、金融、通信・メディア、サービスなど幅広く、国内だけではなく、グローバルでも数多く導入されている。PCサーバーベースのこうした高可用サーバーは少なく、コンスタントに需要があるという。

 Windowsベースのシステムを導入しており、ダウンは絶対に許されないといった要件には、バッチリはまる製品といえる。また、コストや手間をかけず、安価に高い可用性を実現したいという企業・組織にもオススメできるサーバーだ。

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