状況説明の前置きがえらく長くなったが、OcuJam生まれたVRコンテンツから目立ったものを紹介していこう。
Team PoPoPo「ポポポ認証の五次元異空間ミョーミョンでピョまりたい」
目黒アマゾン会場にて、Oculus RiftのエヴァンジェリストであるGOROmanさんとsyyamaさんの2人が組んだチーム。アプリ名は、Twitterを細かくウォッチしてない方には何のことやらわからないはずだが、30年後のコミュニケーションを描いたy80jpさんのこちらのマンガが元ネタになる。
語感がIT用語っぽいとなぜかOculus Rift界隈で盛り上がって、そのままOcuJamの企画として成立。アイデアは「ヒョウタンからコマ」だが、実際できたものはTiwtterアイコンをアバターにして、VR空間でボイスチャットできる実用的なツールだった。こちらはPhotonCloudを活用して、100人までログインできるようにしているそうだ。
チーム学園追放「学園追放」
大掛かりなハードウェアを併用する試みも目立った。VRコンテンツでは、バーチャルとリアルの空間で同じ姿勢をとらせたり、触覚も再現することで、あちらの世界ににいるという「実在感」を高められる。より質の高い作品を目指すなら、このハードを併用しない手はない。
筆者は実際に目にできなかったが、大阪メディオ会場のチーム学園追放(栗坂こなべさん、alweiさん、暇人さん)が作ったシューティングゲーム「学園追放」は、Twitter上で大きく話題になっていた。何がスゴいかといえば、イルカ型のバルーンにまたがって操作するので、視線が高速移動するのにVR酔いがあまりないという点だ(プレーしてる見た目もスゴいんですけどね)。
普通のシューティングやレース、FPSといったゲームでは、人間の動きよりかなり速く動けるが、同じ演出をVRゲームに持ってき、プレイヤーの体が止まっているのに視界だけ動かしてしまうと、かなりの確率でVR酔いが起こってしまう。特にジャンプするなど上下の揺れは非常にセンシティブだが、「学園追放」ではイルカ型バルーンにまたがって物理的にプレイヤーの体をゆらすことでリアルとバーチャルの体勢を一致させて、この問題をクリアーしている。
ちーむあべし「ういっすくん百烈拳」
先の「学園追放」もそうだが、ジェスチャー入力デバイスの「Leap Motion」を使ったゲームも目立った。VRヘッドマウントディスプレーは、リアルとバーチャルの体を一致させる意味でも、視界が全部覆われてボタンが見えないというところでも、手足や頭、体の動き、目線などで操作するインターフェースのほうが向いている。
西新宿ニフティ会場の「ちーむあべし」(らなとすさん、のびっこさん)がつくった「ういっすくん百烈拳」は、全周から迫り来る黄色い耳のゆるキャラ「ういっすくん」をパーで受けとめ、黒い耳の「わるいっすくん」をグーパンチで倒していくというもの。
30時間という短期間でつくったにもかかわらず、かなり質の高いコンテンツがいくつも生まれたOcuJam。来年の開催時には、VRムーブメントがさらに盛り上がっているはずなので、もっと制作者側にノウハウがたまっていて面白いものが登場するはず。プログラマーに限らず参加できるので、「われこそは!」という方はぜひ出場してみるべし。