HTPCにうってつけの小型PCが続々登場
こうしたことが予想できたのか否かかは定かではないが、2013年にはレノボがHTPCを想定した小型PC「Q190」をリリース、今年8月にはハイアールが同じく小型の「雲悦mini2」をリリースした。
ハイアールがプッシュする雲悦mini2はCeleron J1900、4GBメモリー、500GB HDDを搭載し、重さは450g、サイズは幅194×奥行150×高さ25mmと、imac mini以上のコンパクトさを実現し、値段は1499元(約2万5000円強)と低価格(ただしOSはDOS)。
また、日本ではまだ流通していない中国の中小メーカーが出すHTPCもある。中国の小型PCに興味のある方は、検索サイトの「百度」やオンラインショッピングサイトの「淘宝網」で「(mini)工控机」「HTPC主机」を検索ワードにチェックしてみるのもいいだろう。
今、個人がそこそこの広さで動画サイトを見たいなら、PCでも事足りる。だが最近ではエコノミーな価格のビジネスホテルにまでセットトップボックスが置かれるのを見るようになった。
旅先でオンデマンドコンテンツの視聴が当たり前になったのに、それが封鎖されたならば、セットトップボックスの代わりとなるHTPCを準備するか、時計の針を戻して地デジチューナーに繋ぐか――競争力維持のため前者を選ぶ業者もいるだろう。
PC用のOSもTVOS 1.0同様に動画がブロックされる?
こうした中、冒頭の中国政府関係者が「現在Windows搭載機向けOSを開発中」と宣言したということは、どうもTVOS 1.0同様に、PCによる動画サイトの視聴や、そのほかのコンテンツをブロックする「グリーンダム」のようなソフト(関連記事)を強制インストールさせるのではないかと思えてならない。
それならば、iOSやAndroidやWindows PhoneなどあらゆるOS版を開発する、というのも納得できる。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)、「日本人が知らない中国インターネット市場[2011.11-2012.10] 現地発ITジャーナリストが報告する5億人市場の真実」(インプレスR&D)を執筆。最新著作は「日本人が知らない中国ネットトレンド2014」(インプレスR&D)。
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