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MARKETING 失敗しないスマホアプリ企画&マーケティング ― 第7回

今すぐできるASOの基本と7つの改善事例

2014年08月14日 11時00分更新

池村 修/エキサイト

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事例に学ぶスマホアプリマーケティングの鉄則87

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 スマートフォンアプリのマーケティングノウハウを紹介する本連載。前回の記事では、SNSの書き込みやレビューでユーザーの反応を見る方法、クラッシュに即時対応できるツールの活用方法を紹介しました。

 今回は、ユーザーがアプリを実際にダウンロードする「App Store」や「Google Play」といった配信ストアでの改善施策であるASO(アプリストア最適化:App Store Optimization)について解説します。

アプリマーケティングの全体像と施策。今回は(1)ASO

 配信ストアは、アプリをダウンロードするだけではなく、検索やランキングでアプリを“見つける”場所でもあります。そのため、アプリのダウンロード数を伸ばすには、ユーザーニーズに合った検索キーワードを設定し、検索結果やランキングで目立つことが必要です。

 配信ストア内での代表的な改善項目と実施タイミングをまとめると以下のようになります。

改善項目 実施タイミング
App Store Google Play
1:アプリ名 バージョンアップ 適宜可能
2:アイコン バージョンアップ 適宜可能
3:スクリーンショット バージョンアップ 適宜可能
4:説明文 適宜可能 適宜可能
5:キーワード バージョンアップ なし
6:アップデート説明文言 バージョンアップ(適宜可能) バージョンアップ
7:ユーザーレビューに返信 なし 適宜可能

 App StoreとGoogle Playで多少の違いはありますが、いずれもリリース時に一度設定したら終わりではなく、PDCAサイクルに組み込んで、繰り返し改善していくことが大切です。

 以降は1つ1つの改善項目について、「エキサイトニュース」アプリの事例をもとに解説します。

1:「アプリ名」は検索キーワードとコンセプトを短く盛り込む

 アプリ名は、アプリの内容や魅力を表現するもっとも大切な要素です。また、ストア内検索で検索するときのキーワードとしても使われます。配信ストア上で表示されるアプリ名と、OS上の実際のアプリ名を一致させる必要はありませんので、ストア上ではアプリのコンセプトや検索キーワードを適切に盛り込んだ名前を考えます。

 エキサイトニュースの場合は、以下のようなアプリ名にしています。

エキサイトニュースのアプリ名

 アプリ名は、Google Playの場合は任意のタイミングで、App Storeの場合はアプリのアップデート時(参考:iTunes Connect デベロッパガイド)に変更できます。細かく変更、検証しながら、ユーザーが見つけやすく、ダウンロードしたくなるアプリ名に磨いていきましょう。

 iTunes Connectデベロッパガイドの20ページには、「説明文のような記述をアプリケーション名に付加しない」とあります。しかし、アプリの名前だけではアプリの内容がわかりづらいことも多いことから、実際には簡単な説明を含む名前をつけているアプリがほとんどです。

App Storeのアプリ名は「14文字以内」で内容を伝える

 App Storeのアプリ名(App Name)は最大75バイトまで登録できますが、iTunes Connectデベロッパガイドでは25文字以下にするよう推奨されています。ただし、端末やストア内の画面(検索結果、ランキングなど)によって実際に表示される文字数は異なるため、アプリ名はそれぞれでの見え方を意識してつけましょう。

 検索結果のアプリ名は、iPhoneの場合、8文字×2行の16文字で表示されます。16文字以上の場合は、2行目に6文字目まで表示され、以降は「…」で省略されるため、14文字表示されます。つまり、アプリ名は25文字以内にし、14文字以内でアプリの内容がわかるように作成します。たとえば、エキサイトニュースの場合、「ニュースが素早く簡単に読める:エキサイトニュース」の「ニュースが素早く簡単に読める」までが表示されます。

App Storeにて、「ニュース」と検索した画面

 ランキング画面のアプリ名は、iPhoneの場合は17文字まで、iPadの場合は24文字まで表示されます。

左 - iPhone上でのランキング表示/右 - iPad上でのランキング表示

エキサイトニュースのアプリ名の変遷

 エキサイトニュースのiOSアプリの場合も、何度も試行錯誤しながらアプリ名を調整してきました。実際にエキサイトニュースで試したアプリ名の変遷を紹介しましょう。

  • 「エキサイトニュース」ver1.0.0:リリース当初(2011年11月~2012年12月)
  •  ニュースアプリがあまり注目されておらず、競合が少なかったため、「エキサイト」というブランド名を全面に打ち出し、シンプルなアプリ名に。

  • 「経済からアプリ情報まで毎日更新:エキサイトニュース」ver1.2.6:最初のアプリ名変更(2012年12月~2013年1月)
  •  「エキサイトニュース」だけでは何のニュースか分からないとの仮説のもと、アプリ名を変更。競合ニュースアプリが増えてきたこともあり、差別化を図るため「経済からアプリの情報まで」と説明を加える。結果、ダウンロード数は変わらず、何を毎日更新しているかが伝わりにくいのではないか、という仮説を立てる。

  • 「注目ニュース毎日更新:エキサイトニュース」ver1.2.9:2回目のアプリ名変更(2013年1月~2013年6月)
  •  「最新のニュースが常に見られる」という意味を込めてアプリ名を変更するも、ダウンロード数は変わらず。ニュースはそもそも毎日更新するのが当たり前で、ユーザーにとって魅力的なアプリ名ではないのではないか、と仮説を立てる。

  • 「注目ニュース満載:エキサイトニュース」ver2.1.0:3回目のアプリ名変更(2013年6月~2013年7月)
  •  ランキングで表示されるアプリ名が最大18文字なので、8文字のアプリ名に変更したが、ランキングからの誘導は変わらず、アプリ名が少なくとも最後の数文字が切れていても大きな影響はないのではと仮説を立てる。途中で切れる=アプリ名がちょっと長いもので、言いたいことが途中で切れると、それはそれでDL数に少なからず影響するものと考える。

  • 「通勤通学仕事の合間の最速ニュース:エキサイトニュース」ver2.1.1:4回目のアプリ名変更(2013年7月~2014年2月)
  •  以前は漠然とした「ニュースアプリ」という表現だったが、「新聞を読む(電車で)/息抜きに(スキマ時間に)読む」というニュースを得る実体験をもとにアプリ名を変更。iPhone端末からでも「:」以前まで表示されるようになったが、ダウンロード数は大きく変わらず。

  • 「ニュースが素早く簡単に読める:エキサイトニュース」ver2.4.0:5回目のアプリ名変更(2014年2月以降)
  •  他社競合アプリが「ニュース」というワードを、アプリ名の最初に持ってきているのを発見し対応。また、ニュースアプリにとって魅力に感じられる「素早く」「簡単」というワードも。ダウンロード数は大きく変わらず、エキサイトニュースはアプリ名がASOの重要な要素ではないと判断し、現在はこのアプリ名で落ち着く。

 エキサイトニュースの事例ではアプリ名の変更で検索の順位変動やダウンロード数、ランキングの大幅な増減はありませんでしたが、他社事例では、ダウンロード数やランキングの向上が見られたアプリもあります。いろいろなパターンを試してみましょう。

Google Playのアプリ名は細かく改善

 Google Playの検索結果のアプリ名は1行で表示され、先頭に検索順位がつくため、順位によって表示される文字数が異なります。デバイスにもよりますが、おおむね検索結果1〜9位までは13文字、10〜99位までは12文字、100位以降は11文字まで表示されます。そのため、できるだけ11文字以内でアプリの内容を表すようにしましょう。

Google Playにて、「ニュース」 or 「ニュースが圏外でも読める」と検索した画面

 Google Playではアプリ名をいつでも変更できるので、細かく変更して検索順位を記録します。具体的には、以下のようなテクニックがあります。

  • アプリ名の重要キーワードの位置を前後させる
  • アプリ名の重要キーワードが複数回使用しないように、重要キーワードを1つにする
  • ストア内検索した際にサジェストされるワードを盛り込む(複数個ある場合は、順に適用する)
  • 重要キーワードに類似するキーワードを入れる(写真→撮る、ニュース→速報・まとめ読みetc)

 エキサイトの場合は、検索順位の変動に有効と思われる施策は他のアプリでも実行し、同様の結果が得られれば、App Storeのアプリにも適用しています。

 アプリ名は、ASOのランクにとってもっとも重要な項目と言われています。何度も修正を繰り返しながら、最適なアプリ名を探ってください。

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