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「ロストザウルス」症候群にオススメの電子手帳?

いい意味でただの電子ノート「WG-S20」を1ヶ月使ってみた

2014年08月16日 15時00分更新

文● 大谷イビサ/ASCII.jp編集部

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 ふとしたけっかけでシャープの電子ノート「WG-S20」を購入した。高機能なタブレットや電子文具が市場を賑わす中、通信機能をいっさい持たないモノクロ液晶のペンタブレットは、私の仕事にどんな影響を与えたのか? 1ヵ月使ったレポートをお届けする。

ガシガシ手書きしたい!いつでも使いたい!

 記者という仕事柄、発表会や取材、打ち合わせなどで気軽に手書きできるノートは手放せないアイテムである。ノートPCを開けないところでも、展示会で立ち話になってしまっても、ささっと取材内容をメモれる。一方でこうした事情があるため、プレス向けでのノベルティでノートをいただくことも多い。本当に贅沢な話だが、モレスキンやロールバーンなど高価なノートやメモ帳が使われずに机の横に積み上げられている。

机の横に積み上げられたノートやメモ帳

 紙のノートは検索性が悪く、持ち運びが面倒だ。しかも、私の悪い癖で、複数のノートにメモを分散してしまうため、ますます探しにくい。視認性を優先で大きめのノートを持ち歩くとやはり重い。そんなこんなで、取材のノートは以前からなんとかデジタル化したいと思っていた。

 もちろん、過去からいろいろな試行錯誤をしてきた。手書きメモは、PDAの時代から試してきたが、端末が小さいと手書きはきわめて困難だ。愛用しているGALAXY Tabや自宅で使っているiPadなどは、サイズ的には言うことなしだが、ペン書きはあまりしっくり来ない。本来Web画面や動画を観る液晶にペンを押し当て、ガシガシ手書きするというのが、どうも苦手なのだ。

 そもそもこの手のモバイルデバイスは電池のもちが致命的。使いたいときに電池がないという事態に概して陥る。もちろん、デバイスがダメならということで、SHOTNOTEのようなクラウドフレンドリーな文具も選択肢としてはあるのだが、撮影やスキャンという手間がやはり面倒くさい。

 そんな課題を頭にかかえながら、Interopでまたまたノートをもらってきてしまったオオタニが衝動買いしたのが、シャープの電子ノート「WG-S20」である(実売価格1万1000円程度)。

教授じゃないけど、衝動買いしたシャープの電子ノート「WG-S20」

恐ろしいまでに機能をそぎ落とした文字通りの電子ノート

 シャープのWG-S20は6インチのモノクロ液晶を採用した手書きメモ専用の電子ノートで、一昨年に発表された「WG-N20/N10」の上位機種にあたる。シンプルな電子ノートというWG-N10/20のコンセプトをそのままに、本体を薄型化し、スケジュール機能を追加したのがWG-S20である。

 実は、オオタニは初代の「WG-N10」の発表会に出た関係で、製品に関しては以前から知っている。専用端末だけに手書き感覚が素晴らしく、サイズや重さなども申し分なかったが、バックライトのないモノクロ液晶だけは、どうしても慣れなかった。やはり普段スマホやタブレットの明るい液晶に慣れているからだろう。しかし、今改めて考えると、この製品のコンセプトに深く共感できたのだ。

スマホ時代に新鮮なバックライトのないモノクロ液晶

 この電子ノートシリーズのすごいところは、とにかくあらゆる機能をそぎ落としていること。換言してしまえば、ペンでメモをとって、それを保存する機能しか持っていない。液晶はモノクロだし、無線LANやBluetoothのような通信機能は一切搭載せず、当然クラウド連携のような機能も提供していない。スマホやタブレットと同じようなデバイスを作っても意味がないという意味で、極力無駄を省いたスペックが実に潔い。

 そぎ落とした結果として、WG-S20が得たのは公称30日を謳う驚異的なバッテリの持ちとシンプルな操作性だ。前述の通り「紙のノートが増えるのはイヤだし、使いたいときに使えないのはもっとイヤだ。手書きのメモを手間なく残しておく方法ない?」という課題を持っていたオオタニが、こうした特徴を持つWG-S20にたどり着いたのはそれほど不思議ではなかったわけだ。

手になじむA6サイズのコンパクトなやつ

 さて、ポチった翌日、商品がやってきた。コンパクトな化粧箱には、本体とUSBケーブルとマニュアルのみ収納。本体は筐体の下部にminiUSBポートと起動用のスイッチがあるのみ。本体はケースと一体化しており、アルミ製のスタイラスはリング部にはめ込む形になる。A6サイズなので、軽くて手になじむ。

おもむろに開封の義。化粧箱に本体、マニュアル、USBケーブルなど

 USBケーブル経由でフル充電し、下部にあるスイッチで起動。「起動中」の文字と共に、「ホーム画面」が表示される。やはりバックライトがないモノクロ液晶の暗さは、スマホユーザーにとってみると、それなりにストレス。とはいえ、使っていくうちに慣れるだろうと前向きに触ってみることにする。

 WG-S20はスケジュールとノートの2つの機能を持っており、ホーム画面のタブで切り替えられる。両者とも基本操作は簡単で、初期設定が終わったら、メニューからスケジュールやノートを作成し、スタイラスでガシガシ書き込んでいけばよいだけだ。スケジュール、ノートともにフォームを選ぶことができるので、好みで選べばよい。電子ノートということで、入力は手書きのみ。ノートやスケジュールの名前も手書きなので、テキストによるメモの検索は不可能だ。そのため、必要なメモを探すには日付か、ノートごとの分類しかない。デジタルのメリットをあきらめた割り切りが本当にすごい。

使って1ヶ月。本当にバッテリが保って驚いた

 6月の購入以来、WG-S20を愛用の肩掛けカバンに収納し、取材や打ち合わせで使っている。結論から言えば、もはやWG-S20なしでは取材はおぼつかないくらい重宝している。

 一番気に入っているのはやはり手書き感だ。映像を見るような美麗液晶にペンで書き込むのは気がひけるが、WG-S20の液晶はモノクロだし、手書き前提のツルツルした表面。傷つく心配をせず、けっこうな筆圧でガシガシ書ける。ペンとマーカーが太さで3種類あるので、絵心があればモノクロでもきれいなイラストが描ける。実際、作例はサンプルにある絵日記を見てもらいたい。

 ノートをページ単位でカテゴリごとに分類する機能もあるのだが、結局使わなくなった。そのため、検索は日付のみだが、自身のスケジュールと照らし合わせれば、必要なノートはすぐに見つかる。PCに画像データとして書き出したり、バックアップファイルを作る機能もあるのだが、今のところ使っていない。電子ノートと割り切って使うのであれば、クラウドはおろか、PCとの連携もそれほど考えないでよいかなと思う。

 バッテリの保ちも期待以上。購入直後にフル充電して以降、2週間近く使ったが、乾電池のアイコンのメモリはまったく減る様子がなく、3週間目でようやくメモリが1つ分だけ消えた。毎日のようにタブレットを充電していると、電池切れが心配で、こちらが根負けして充電してしまう始末。たぶん本当に1ヶ月保ってしまうだろう。

USBケーブル経由で充電。とにかく電池の保ちはすごい

 唯一の弱点はやはりバックライトがないこと。普段使いは慣れたのだが、暗いところはまったくお手上げ。イベント取材では暗いところも多いのだが、こうなると書くところか、見るのも難しい。紙のメモ帳と同じと言えば、その通りなのだが。

明るいところは問題なし。暗いところは厳しい

 ということで、シャープのWG-S20をレビューしてきた。割り切った仕様を割り切れないユーザーも多いはずなので、好みの分かれるデバイスではあるが、私ははまったクチだ。ノートやスケジュールを搭載したモノクロの手書き端末というと、やはり往年の名PDAであるシャープのザウルスが思い出されるが、けっこう代用として考えてもよいかもしれない。価格も手ごろなので、日頃のメモ書きに悩んでいる方はポチっといってもらいたい。

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