アコースティック・ターボ回路で低域の再生限界を拡張
もうひとつ音茶楽製品の特徴にはアコースティック・ターボ回路があります。振動板の背面に設けられた細いパイプによる音響抵抗で、共振周波数を下げ、中音域の感度向上を図ったもの。もともとはオープンエア型のイヤホンのために考えられた手法を、密閉型のカナル型に採用したものです。
この技術とトルネード・イコライザーの両方をあわせて「トルネード・ターボ方式」と音茶楽は呼んでいるわけです。
トルネード・ターボ方式が採用されている音茶楽の現行製品、音茶楽×Oak Village/Donguri-欅(KEYAKI)を改めて比較のためにお借りしましたが、深く沈み込むような低域に、伸びきった高域は最近のハイブリッド型のようだと感じました。しかもドライバーユニットがダイナミック型1発ということもあって、位相のズレに起因するようなピントの甘さはありません。
問題は価格だけ。音を聴けば値段なりの意味は感じられるはずですが、やはり4万円台半ばともなれば、躊躇してしまうのが当たり前でしょう。しかし低価格版の「楽」も、トルネード・ターボ方式の美点はすべて備えているのです。
スペック上もほとんど変わらない2モデル | ||
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モデル | 茶楽音人 Donguri-楽(RAKU) |
音茶楽×Oak Village Donguri-欅(KEYAKI) |
ドライバー | 010e004 アコースティック・ターボ回路内蔵 10mmダイナミック型 | |
音響方式 | トルネード・ターボ方式 密閉型 | |
出力音圧レベル | 106dBSPL/mW | |
周波数特性 | 5~30kHz | |
最大入力 | 200mW | |
インピーダンス | 18Ω | |
質量 | 約13g | 約21g |
プラグ | 3.5mm 金メッキステレオミニプラグ | |
コード長 | 1.2m(Y型) | |
価格(フジヤエービック価格) | 1万5120円 | 4万6440円 |