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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 第29回

声優タグの付いた動画の約半数はラジオタグ付き動画

ニコニコ「動画」なのに人気が高い「ラジオ」タグ

2014年07月03日 18時00分更新

文● myrmecoleon

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「声優」タグの付いた動画の約半数は
「ラジオ」タグ付き動画である

 ラジオタグ動画の多くは権利的な問題もある既存のラジオの録音のようですが、前のページで記したようにオリジナルのラジオ風動画や、権利的な配慮をしたSZBH方式(ネットラジオ等の番組に尺を合わせた無音動画。番組と同時に再生しながらコメントするために見られる)もよく投稿されています。

 また最近はチャンネル動画等で公式に配信されるネットラジオ番組も増えてきました。下記のグラフで年ごとの動画のチャンネル動画の比率を示しました。2012年以降公式に配信されているラジオ動画は増加しており、近年は1割近くまで増えています。1ヵ月程度の配信期間を過ぎると公開休止する動画も多いため実際はもっと比率は高いでしょう。

 その他でいうと「ニコニコ専用ラジオリンク」のユーザー動画は2009年に最も多数投稿されていました。その後も年1500件前後が投稿されていましたが、2013年は減少したようです。

「ニコニコ専用ラジオ」の語を使った最初期のニコ動発のラジオ風動画シリーズ「ゆとらじ」の第1回。初期に特に人気が高かった。ちなみに「ゆとらじ」は「ニコニコ専用ラジオリンク」のタグがついていないようだ。

 また「声優」タグに代表されるアニラジ系の動画は初期はラジオタグ全体の2割近く投稿されており、2008年から2012年頃は6~8%前後が投稿されていましたが、チャンネル動画の増え始めた2013年頃から再び増加しているようです。ちなみにニコ動の「声優」タグの付いた動画の約半数はラジオタグの動画です。ラジオ動画はニコ動におけるアニメ声優人気の小さくない割合を占めていると思われます。

2014年6月時点で視聴可能なラジオ動画について、各年毎のユーザー投稿以外の動画の比率と、「ニコニコ専用ラジオリンク」「声優」タグ動画の比率をグラフにしたもの。やはり削除や公開終了の影響がある推移となるため注意

アニメ声優とラジオの濃い関係

 グラフ2同様に各年の動画タグについて、番組パーソナリティなどの人名が示されてるタグをグラフ4に抽出してみました。

 人物は多少入れ替わっていますが、全体的にアニメ声優が多く、アニラジの投稿が多いことがわかります。2010年から2013年はAKB48グループのラジオ番組の投稿が多かったようです。また2009年から2011年には実況プレイヤーなどのユーザー投稿者の名前が見えます。2013年以降は再びアニメ声優の投稿が多くなっており、声優ではないですがアニラジのパーソナリティとして活躍している鷲崎健関連の動画が最も投稿されています。

 投稿数は必ずしも番組や人物の人気を反映したものではなく、また削除などで欠けている部分もあるかと思いますが、上位は当時よく関心を持たれていた人物ではあるでしょう。

グラフ2と同様にラジオタグの動画について、各年ごとに多かった人物名等のタグを順に並べたもの。2014年は6月まで。女性声優は赤、男性声優は青、アイドル・アーティストは緑、ニコ動のユーザーは紫、その他は灰色に塗ってある

 よく話題となるラジオ番組「洲崎西」、前回紹介した「松岡禎丞」氏のように、ニコニコ動画全体でアニメ声優のラジオ動画が人気となることも増えてきました。

 アニメ声優らの、より日常的な活動を知ることができるアニラジはこれまでも人気がありましたが、近年は音泉や超!A&G+のようなネットラジオに移行し、SZBH方式などの例にもあるようにネットと親和性の高い媒体ともなっているようです。

 権利的な問題も依然大きいですが、テレビアニメと同様に公式配信されるラジオ番組も出てきており、話題となる公式配信も登場しているあたり、今後期待のジャンルと言えるかもしれません。

スクウェアエニックスのGA文庫公式チャンネルより公式配信されている声優の佐倉綾音と内田真礼をパーソナリティにした番組動画。最近のネット配信の「ラジオ」はこのように映像付きのかたちで配信されることも増えてきた。これは松岡禎丞氏がゲスト出演し、その言動の面白さから派生動画が多数投稿された回。

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