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MS傘下になったNokiaがローエンド戦略を説明 Nokia Xは継続か?

2014年06月13日 11時00分更新

文● 末岡洋子

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 4月末にNokiaのデバイス事業部はMicrosoftの下に入った。買収後も携帯電話の「Nokia」ブランドはフィーチャーフォンで残り、携帯電話のNokiaは消えたわけではない……それどころか、スマートフォンの戦いがローエンドにシフトする中、Nokiaブランドこそ重要になりそうだ。

 6月12日、中国・上海「Mobile Asia Expo 2014」で、Microsoftのモバイルフォンポートフォリオ担当トップを務めるTero Lehtonen氏がローエンド分野の戦略を語った。キーワードは「X」、そしてMicrosoftのライバルである「Android」だ。

「NokiaについてMicrosoftとして話すのは変な気分だ。まだ心理的にも移行期間にある」と語るLehtonen氏

重要な意味を持つAndroidベースの「Nokia X」
果たして敵前上陸は成功するか

 今年2月のMobile World Congressでは、スマートフォンの戦いがローエンドにシフトしたことが鮮明になった。Microsoftに買収される前から、NokiaはハイエンドではWindows Phoneを採用したLumiaシリーズを持つ一方、ローエンド側では従来のフィーチャーフォン、安価なタッチ対応端末「Asha」ラインの2本柱で展開してきた。Ashaは「Series 40」の流れをくむもので、タッチ対応やQWERTYキーボードなど、モダンな機能を安価に提供するフィーチャーフォンだ。

 そして2月末のMWCで発表したのが、開発コード「Normandy(ノルマンディー)」こと「Nokia X」シリーズだ。Nokia Xは、Android、正確には「Android Open Source Platform(AOSP)」をベースとしており(Nokiaは「Nokia X Software Platform」と呼んでいる)、開発コード名に恥じぬ重要な使命を持っている。

Androidベースながら、Windows PhoneっぽいUIを持つ「Nokia X」。100ユーロ前後のローエンドクラスを担う

 「現在、モバイルでインターネットを利用しているのは24億人、つまり残りの46億人はまだモバイルインターネットを利用していない。この人たちの手にどうやってインターネットをもたらすか」と語るLehtonen氏。カギを握るのは「モバイル端末、それも低価格のスマートフォンだ」と続ける。ターゲットとなるのは新興国、そして若者。Nokiaはこの層に対し、上記の3つの選択肢を用意する。

MicrosoftのNokiaラインは3つの柱を持つ

 フィーチャーフォンでは「信頼性のある品質とインダストリアルデザ イン、マルチメディアなどのNokiaの深く長い経験、ブラウザー/検索/メッセンジャーなど、フォーカスをしぼったインターネット体験を低価格で」、そしてAshaは「タッチ画面の入り口となる端末」と位置づけを説明する。

タッチディスプレーを採用したAsha

 では、新しく加わったXの位置づけはどうなるのか。最大の特徴は「手頃なスマートフォン」であるとする。”X”はブリッジ(橋)、あるいは交差点(Cross=X Road)であり、「Nokiaのすばらしいデザイン、Androidアプリケーション、Microsoftの人気サービス、この3つの世界を橋渡しする」という。開発にあたって、Nokiaが想定する潜在コンシューマーのニーズを満たすべく、ユーザーエクスペリエンスは全面統合した。その結果、Nokia XはAndoidとはほど遠い、Windows PhoneのLumiaに似たユーザーインターフェースを持つ。

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