撮影に行くぞ、ってときはそれなりのカメラを持って行くけど、普通の人は日常的にレンズ交換式カメラなんて持ち歩かないわけで(持ち歩いてる人がいたら、たぶんすでに普通じゃないと思う)。
でも、何気なく移動中にぱっと猫を見つけて撮りたいこともあるわけで、スマホで済むこともあればちょっとスマホだと難しいってこともあるわけで、そんなとき、バッグに常時入れても気にならないサイズで、猫がいたら「おっ猫だ!」とさくっと取り出して、さくっと撮ってなおかつ高画質なコンパクトデジカメがあったらいいなあ、と思うわけですよ。思いますよね。
その候補のひとつが出たのである。ソニーの「サイバーショット DSC-RX100M3」(実売価格9万5000円前後)。
これが実にいい。
ズームコンデジではトップレベルとなる1インチで2000万画素のセンサーを搭載。レバーを押すとぴょこんと飛び出るファインダー(EVF)がギミックとして楽しくてしょうがないのだけど、180度回転するチルト式モニターは猫撮りに欠かせないし、望遠には弱いけどレンズがすごく明るいので猫の背景をぼかしたり、多少暗い場所でも撮れたりするし、コンパクトなのに高画質と、重宝する街スナップカメラなのだ。
先日、都心部を地下鉄の駅に向かって歩いてるときのこと。
大通りを歩いてても面白くないのでちょいと見知らぬ裏道に入ってみようと思ったのである。
そしたら目の前に、昭和の(それもかなり高度成長期前半、って感じの)団地があらわれたのだ。
好きな人にはたまりませんな。こんな都心部に、という意外さがいい。
ここまで古くなると建て替えられそうだから、今のうちに撮っておこうとカメラを取り出したら、猫発見。古いコンクリートの団地に猫って似合う。
とっさにしゃがんでモニターを開いて撮ったのがこちら。
いやあ、こういうシトっとした古い団地に猫っていいよねえ。近寄ったら逃げそうなので寄らなかったけど。
ちょっと団地見学、と歩きはじめたら、今度は上の方に違和感を感じる。ふと見上げると、踊り場の手すりに1匹座ってるじゃないか。
今度はEVFをポップアップさせてちゃんと覗いて撮影。
上から目線で見下ろされております。「なんかあやしいヤツがきたぞ」てなもんで。彼は見張り役に違いない。このあとタタタッと報告に行くに違いないのだ。
入口にはキジトラが悠々とお昼寝。耳がカットされてて、地域猫として飼われてるんだなってことがわかる。
手前に赤い花が咲いていて、その手前に水の入ったペットボトルが並んでる。たぶん、花壇に猫が入らないように、ということなのだろうが、ペットボトルは猫よけとして意味をなさないということがわかっているので、ちょっと複雑な気持ち。
となると、ペットボトルや花もなんとか入れて撮りたい。
しゃがんでモニターを開いて、画面を見ながら猫と花とペットボトルが全部入るアングルを探して撮ったのがこちら。
なんだか団地猫っていいぞ。
(次ページに続く、「古い団地と猫の魅力」)
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