このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

iOS/iCloud連携を強化する「OS X Yosemite」—WWDC 2014をダイジェストで振り返る

2014年06月09日 09時30分更新

文● 鈴木淳也(Junya Suzuki)

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

すでにWWDC開催前の会場内の垂れ幕で予告が行なわれていたが、OS X 10.10の名称はヨセミテ国立公園の「OS X Yosemite」に。なお、内部的な開発コード名はワインで有名な赤ブドウ品種「Syrah」

 Appleの開発者会議「WWDC」(Worldwide Developers Conference)での注目は、やはり次のモバイルOS最新版である「iOS 8」だと思われる。一方で、2時間の基調講演のうち「OS X Yosemite」「開発者向け施策」にも等しく時間を割いており、「Macを使う開発者向けイベント」だということを改めて強調した。

WWDC 2014でのハイライトは「OS X」「iOS」「Dev(開発)」の3つ

OS X全体におけるOS X Mavericksのシェアが51%なのに対し、Windowsは最新バージョンの8が14%に過ぎないと揶揄

「OS X Yosemite」はどう変わったのか

 OS X Mavericksに続く“カリフォルニア地名シリーズ”のOS X第2弾となる「Yosemite」では、従来バージョンに比べてどこが変化したのだろうか。

OS Xでは、まず次の製品名となるカリフォルニアの地名候補の紹介から。サンフランシスコ・ベイエリアの起点に南から北端までぐるりと一周して戻ってきた先は……

 簡単に挙げれば「よりiOSに近いルック&フィールになった」「iCloud連携がさらに強化された」「Continuityに代表されるiOSデバイスとの連携強化」の3つに集約される。

 OS Xは、長きにわたってウィンドウ枠を含む基本的なUIコンポーネントが初期のころからそのまま流用され続け、全体的なルック&フィールもOS X Leopard(10.5)で導入された新機能以降、大きく変化していない。

 これに対してiOSでは、バージョン7の時点で「フラットデザイン」と呼ばれる新アイコンやUIコンポーネントへの入れ替えが一気に進み、それにともなってUI全体がリフレッシュされた。

マイナーチェンジだがUIのルック&フィールが変更されている。アイコンはすべてリフレッシュされ、ゴミ箱もこんなイメージに

 OS X Mavericks時点ではiOS 7での変更がフィードバックされることはなかったが、OS X Yosemiteではアプリケーションのアイコンが「フラットデザイン」的なシンプルなものへと差し替えられ、ウィンドウ左上のボタンも3D風のものからフラットなデザインへと変更されている。またウィンドウ枠は「トランスルーセント」な透明デザインとなり、背景やスクロールされたコンテンツの一部の概要がわかるようになっている。

ウィンドウのタイトルバーと左ペインはトランスルーセント(透明)仕様となり、背景が透けて見えたり、写真のようにスクロールされた内容の一部が見えるようになっている

ウィンドウ左上のボタンも3D風にデザインされていたものが、iOS同様にフラットデザイン風に

 「Notification Center」も新しくなり、表示項目をウィジェットギャラリーから追加して増やすことができる。ニュースフィードを表示するもよしで、この辺りはiOS 8の新Notification Centerと同じだとみられる。

新しいNotification Center。独自のウィジェットを追加して並べられるように

 また、Spotlightでは初めてUIに大きく手が加えられた。従来画面右上の虫眼鏡アイコンの部分に入力項目や一覧がずらりと表示されていたが、OS X YosemiteではSpotlightの入力フィールドが画面中央に出現し、実際に検索すると結果表示がウィンドウ形式で画面中央に出現し、視認しやすくなっている。

 Spotlightで検索可能な項目数も増えており、ニュースやBingによるWeb検索など、Safariをいちいち呼び出さずともSpotlightから当該サイトへとアクセスして結果を引き出せる。

Spotlightは画面右上の虫眼鏡マークの部分の入力欄ではなく、画面中央付近に入力枠がポップアップして見やすくなった。結果はそのまま中央でウィンドウ表示される

検索対象もローカルデータだけでなく、ニュースからBing、Wikipedia検索まで、ネット側の情報も広く対象となった

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

ASCII.jp RSS2.0 配信中