Yahoo!誕生から19年。検索はモバイルに流れている!?
Googleだけではない!世界の検索エンジンシェア早わかり
2014年06月16日 09時00分更新
日本はYahoo!が強いが、中味はGoogle
Yahoo! JAPANの検索エンジンはGoogleを利用している。しかし、日本のYahoo!人気は根強い。Yahoo!とGoogleの利用率を見ていこう。
アウンコンサルティングによると、Yahoo! JAPANが49%、Googleが39%、Bingが3%と、GoogleとYahoo! JAPANの差が小さくなっていることが分かる。前述の通りYahoo! JAPANではGoogleを検索エンジンとして利用しているため、合計88%がGoogleのアルゴリズムを採用していることになる。日本においてはGoogle攻略こそがSEO対策の必勝法ということになるだろう。
なお、Yahoo! JAPANの検索エンジンは、元々はディレクトリ型検索エンジンメインのものだったが、現在はロボット型検索エンジンとなっている。ロボット型検索エンジンとして、当初はgoo、2000年頃からはGoogle、その後、米Yahoo!の開発したYahoo!SearchTechnology(YST)に切り替えていた。ところが、米Yahoo!がYSTの開発継続を断念してBingを採用したことに伴い、再びGoogleを採用して現在に至っている。
中国はBaidu、韓国はNAVER
Googleがシェアトップとなっていない国を眺めてみよう。たとえば中国だ。中国のインターネット人口は増え続けており、comScoreによると3億4800万人を超えるという。2013年6月時点でBaiduが65.74%と約7割を占め、その他国産の検索エンジンがシェアの大半を占める。中国ではインターネットに対して検閲があることが影響しているのかもしれない。
Googleは何と3.05%、Yahoo!に至ってはわずか0.47%のシェアしか握っていないのだ。
一方、韓国はモバイルへの移行が激しく、Webcertainによると、2013年第一四半期におけるインターネットのアクセスの何と60%がモバイルからとなっている。comScoreによると、韓国の検索市場のトップはNAVER。ただし、2011年頃は約70%もあったシェアが2012年12月には45%程度にまで下がっている。しかし、2位のGoogleのシェアは22%程度と、依然NAVER:Google=約2:1ほどの差が開いている。
各国の主要検索エンジン(2012年) | ||
---|---|---|
国名 | 検索エンジン | シェア |
韓国 | NAVER | 68.8% |
中国 | Baidu | 72.4% |
台湾 | Bing | 50.1% |
香港 | Bing | 49.9% |
タイ | 98.4% | |
マレーシア | 80.3% | |
シンガポール | 60.6% | |
ロシア | Yandex | 64.7% |
イギリス | 91.5% | |
フランス | 91.6% | |
ドイツ | 91.7% |
アウンコンサルティング調べ
なお、アウンコンサルティングによると2012年時点では、同じアジア圏でも、台湾(50.1%)、香港(49.9%)ではBingが約半数を占める。Yahoo! 台湾、Yahoo! 香港の検索エンジンがBingを利用しているため、このような結果となっているのだ。なお、東南アジア、中央アジア各国ではGoogleが強い傾向にあるなど、国によって状況は異なっている。
ロシアも自国の検索エンジンが強い。comScoreによると、4億800万人のヨーロッパのインターネット人口のうち約15%をロシアが占めている。そのロシアで使われているのが、自国の検索エンジンYandexだ。ロシアでは、Yandexが61.9%、Googleは26.4%と、Yandex:Google=約5:2と差が開いている。その他を占めるのも自国の検索エンジンだ。
逆にヨーロッパでは、Googleが86%と米国よりも高いシェアを誇るが、2位にはYandex、その他FacebookやeBay、Amazonなども検索に利用されている。
検索シェアがモバイルに流れている
モバイルからの検索が増えていることは韓国の項で述べたが、他の国でもその傾向は強い。eMarketerによると、Googleのモバイル広告の売上シェアは、2012年の82.8%から2014年には65.7%にまで激減。その分は、Yelpなどのアプリ経由でのローカル検索にシェアが流れている傾向にあるという。
Googleは世界的に見れば圧倒的ではあるものの、一部の国でローカルな検索エンジンからシェアを奪えていない状態だ。さらに、今後もモバイル検索が伸びていくことは間違いない。Googleにとっては、今後シェアを取れていない国でのシェアを伸ばし、モバイル検索でのシェアを確保することが課題だろう。SEO対策、リスティング広告を出稿する際の参考にしてほしい。
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