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高橋暁子の「意外と知らない!? 業界ランキング」 ― 第51回

使う理由は「利便性」と「ポイント」

4兆円が動く電子マネーのシェア早わかり~nanaco、SuicaをWAONが追う

2015年11月02日 09時00分更新

文● 高橋暁子 編集●ASCII.jp

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『そういえば、あの業界のシェアは結局どこが一番多いんだっけ……?』
そんな疑問を抱いたことがあるすべてのビジネスマンに捧ぐ連載。仕事でも利用できる業界ランキングや業界地図を私、高橋暁子が手っ取り早く紹介します。<連載目次>

電子マネー、いくつ使っていますか?

 nanaco、Suica、WAON、楽天Edy、PASMOなど、様々な種類の電子マネーが存在する。皆さんはどんな電子マネーをどのようなときに利用しているだろうか。

 電子マネーを使うと小銭が要らない、支払いが簡単に済む、ポイントが貯められるなどのメリットがあり、日常生活に欠かせないという人も多いのではないだろうか。電子マネーの市場規模や使う理由などとともに、サービスごとの電子マネーシェアを見ていこう。

IC型電子マネー決済金額は4兆140億円

 まず、電子マネーの市場規模について見ていこう。総務省の「平成27年版情報通信白書」によると、IC型電子マネーは決済件数、決済金額ともに成長を続けている。

 なお、IC型電子マネーには、1996年にソニーによって開発された非接触型ICカード技術FeliCaを採用したSuica、PASMOなどの交通系。そしてnanaco、WAONなどの小売り系。さらに楽天Edyなどの事業系などが含まれる。

 2008年には決済件数で10億5300万件、決済金額7581億円だったが、2014年には決済件数で40億4000万件、決済金額で4兆140億円にまで達した。電子マネーの利用率は上昇傾向にあるというわけだ。

電子マネーは右肩上がりの成長を続けている

 ただし、総務省の「平成26年通信利用動向調査」によると、インターネットで商品等を購入する際の決済方法を複数回答で聞いたところ、クレジットカード払いが63.7%でトップ。

 続いて代金引換が43.8%、コンビニエンスストアでの支払いが38.9%、銀行・郵便局の窓口・ATMでの振込・振替が30.8%、電子マネーによる支払いは4.4%に留まっており、ネットではまだまだ他の決済手段には及ばない状態だ。

nanaco、Suicaの二強をWAONが追う

 2014年6月8日の日経MJによると、各電子マネーの発行件数、利用件数は以下のようになっている。決済件数で見ると、nanaco、Suicaが圧倒的に高く、WAONが追う状態となっている。次いでEdy、PASMOと続く。

 発行件数と決済件数を見ると、利用率が高いのはnanaco、Suica、WAONだ。それに比べて楽天Edyは、発行枚数に比して決済件数が少ない。WAONはイオン系列、nanacoは7&i系列でセブンイレブン、イトーヨーカドーなどで利用できる。

「電子マネーは取引ごとに決済情報をやりとりする必要がないストアドバリュー型に分類される」(総務省 平成27年度版 情報通信白書より)

 NTTコムリサーチとインターネットコムの「第3回電子マネーに関する調査」(2015年1月)で、電子マネー利用者に利用している電子マネーの種類について聞いたところ、やはり「交通系(JR:Kitaca、Suica、TOICA、ICOCA、SUGOCA)」が51.5%でトップ。

 続いてWAONが35.2%、nanacoが33.1%、楽天 Edyが29.5%、「交通系(JR以外:PASMO、PiTaPa、はやかけん、manacaなど)」が28.6%などとなっていた。以下、iDの12.5%、QUICPayの6.1%、au WALLETの5.2%と続く。

 つまり、電子マネーは小売系(WAON、nanaco)と交通系(Suica、PASMO)が強く、楽天Edyを加えた5ブランドがシェアを握っている。それ以外の電子マネーは差を付けられた状態と言えよう。

使う理由は「利便性」と「ポイント」

 電子マネーを使う理由、使わない理由は何だろうか。マネースクウェア・ジャパンの「よく使う電子マネーに関するアンケート調査」(2015年5月)によると、電子マネーを利用する理由のトップは「小銭を持たなくてもよいため」、続いて「交通機関を利用する際に便利だから」「ポイント獲得のため」「チャージが便利だから」「利用できる店舗が多いため」などとなっていた。

 やはり、「利便性」と「ポイント」が重要ということになる。

 NTTコムリサーチとインターネットコムの「第4回電子マネーに関する調査」(2015年5月)によると、電子マネーの利用率は2014年12月の前回の調査時点とあまり変わらず、全体の31.5%は利用していなかった。

 使わない理由の72.9%は「必要を感じない」、21.7%が「セキュリティが不安」、18.5%が「使った金額が分かりにくくて管理が難しい」などとなっており、電子マネー各社にはまだまだ課題が残っていそうだ。

 電子マネーが普及するためには、利便性を上げると共にポイントなどの魅力を充実させることが重要と言えそうだ。交通系・小売系など5ブランド以外の電子マネーがどこまで健闘するかにも注目したい。

著者紹介:高橋暁子

 ITジャーナリスト、コンサルタント。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。小学校教員、編集者を経て現在に至る。最新刊『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎エデュケーション新書)の他、『ソーシャルメディアを武器にするための10カ条』(マイナビ新書)、『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』『図解 一目でわかるITプラットフォーム』(日本実業出版社)、『ネット業界 儲けのカラクリ』(中経出版)など著作多数。http://akiakatsuki.com/ Twitterアカウントは@akiakatsuki

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