このページの本文へ

視覚障がい者に向けた不動産情報アプリ

2014年06月04日 16時19分更新

文● 伊藤達哉(Tatsuya Ito)/アスキークラウド編集部

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

  6月3日、ネクスト社内でHOME’Sリッテルラボ ハンズオン・セミナーが開催された。日本初となるこのアプリは、iOSに搭載されている読み上げ機能「VoiceOver」を利用して、画面内のテキスト情報を音声化する。同社は、視覚障がい者にもスマホ利用が広まっている現状を踏まえてアプリの開発を決めた。
 開発に携わったHOME’S事業本部 プロダクト開発部 リッテルラボラトリーユニットの池田和洋氏によると、東京都盲人福祉協会や日本盲人連合の協力のもと、4カ月の開発期間を経てアプリを完成させた。技術的な面では、独自の操作性であるVoiceOverを意識したアプリ作りに苦労したという。

 アプリは、画面を上下左右にスワイプするたびに画面内に表示されている文字を読み上げる。選択するには、項目が読み上げられたあとに画面をダブルタップすればいい。また弱視者に向けて、フォントが拡大する機能を搭載。「これまでは、視覚障がいの方々は不動産情報を調べることすらできませんでした。このアプリを使えば情報を調べて、店舗に自ら問い合わせができます」(池田氏)

障がい者向けの住まい探しアプリ「HOME’S アクセシビリティ対応版」を開発した、ネクストのHOME’S事業本部 プロダクト開発部 リッテルラボラトリーユニットの池田和洋氏。

 東京都盲人福祉協会と日本盲人連合にも情報発信の協力を仰ぎ、ウェブサイトのトップページで告知したり、点字新聞で紹介したりと、1人でも多くの利用者に使ってもらうようにアプリを周知させている。「アプリはすでにリリースしていますが完成版ではありません。利用者からの声や要望を反映させることでどんどんバージョンアップしてきます」(池田氏)。アプリの特性上、ダウンロード数が急激に伸びることはないものの、継続的に日々ダウンロード数は増えているという。


週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中