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デジタルアーカイブの信頼性確立のために

光ディスク媒体の寿命推定用試験方法がJISで規定

2014年05月21日 19時05分更新

文● 行正和義

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文書情報のライフサイクルとストレージメモリの関係(官公庁や企業には10年以上の長期にわたって情報を保存する必要がある文書が存在するが、HDDやUSBメモリなどはあくまで短期な保存媒体としている)

 経済産業省は5月20日の日本工業規格(JIS規格)の制定・改正において、新たにDVDなどの光磁気メディアの長期保存性に関する規格として、光ディスクの寿命を推定するための試験方法を規定した。

 爆発的に増加するデジタル情報があふれるなか、その情報を長期的に保存・蓄積するアーカイブの必要性も高まっている。光ディスク媒体は安価で互換性に優れ、保存時に電力を必要としないという利点がある反面、DVDやBDなどの光磁気記憶は化学変化(磁性変化)を用いることから長期的にはデータが消失する可能性もある。これまで、光磁気ディスクの長期保存性に関する公的な基準はこれまで規定されていなかった。

光ディスクを用いたデジタルデータの長期保存のためのアーカイブシステム

 2011年に規定された国際規格(ISO)の「光ディスク媒体の新しい寿命推定試験に関する国際規格(ISO/IEC 16963)」は、このような必要性から日本が提唱した規格で、この国際規格と整合した日本工業規格(JIS X 6256)がこのたび制定されることになった。この規格は、DVDなどの追記型/書き換え型光ディスクを対象に、制御保存条件または過酷保存条件の下での期待寿命を推定する試験方法を定め、保存した情報の復元性に対する期待寿命を推定するための加速劣化試験方法について規定している。

 今回JIS規格によって試験方法が規定されたことにより、光ディスク製品の信頼性を一定の基準ができたことになり、データの保存性を数字的に示すことが可能となる。また、民生用途から業務用途まで、長期保存用光ディスク媒体の市場形成と拡大を見込めるという。

「包装-アクセシブルデザイン-一般要求事項」では、牛乳/ジュースの紙パックやシャンプー/リンス容器などの形状を規定している

 なお、本規格と同時に、高齢者や障害者に配慮した商品パッケージデザインを規定する「包装-アクセシブルデザイン-一般要求事項」、目の不自由な人が駅等の公共施設を利用する場合を想定した音声案内「公共空間に設置する移動支援用音案内」がJISに規定・改定された。

「公共空間に設置する移動支援用音案内」では、騒音の大きな公共空間での音案内の仕様を定めている

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