10.1インチディスプレー搭載で650gのWindows 8.1タブレット
電子書籍も動画もお気軽に! 4.5万円で買える10型Winタブ「HP Omni10」
2014年05月27日 11時00分更新
CPUの処理速度等は快適で、悩ましいのはストレージ容量
「HP Omni10」のCPUは、Atom Z3770(1.46GHz)だ。これはタブレットや低価格PC向けに開発されたCPUで、4コア4スレッド。グラフィックス機能もインテル HD グラフィックスが内蔵されるなど、従来のAtomシリーズとは違ったつくりになっている。それでいて消費電力はぐっと抑えられているというのが魅力だ。
読書、映像鑑賞テスト中の動作としては、アプリケーションのインストール時等には大きな負荷が感じられるものの、準備が整ってしまえばページの遷移や動画の再生といった閲覧行為は非常に快適に行えるということだ。Internet Explorerでのブラウジングもごく快適で、タブをたくさん開いたからといって動作が重くなることはなかった。Atom搭載端末というと非力な印象があるが、少なくともブラウジングや読書でもたつくようなことはない。
若干不安を感じたのは、ストレージ容量だ。32GBのeMMCを採用しているのだが、当然OS等で埋められている容量もある。試用機の場合、実際にユーザーが利用できる容量として残っているのは13.92GBだった。ベンチマークのためにいくつかのアプリケーションをインストールしたりすると、あっという間に埋まっていくという状態で、ぼんやりと使っているといつの間にか空き容量が不足していた、ということになりそうだ。microSDカードを利用して容量を増やすとともに、クラウドストレージをうまく活用するなどローカルのストレージ容量を節約する工夫は必要だろう。
基本性能は十分でバッテリーの持ちは抜群
「HP Omni10」上で、ベンチマークもいくつか実行してみた。まず基本となるWindows 8の快適さの指標となるものとして「Windowsエクスペリエンスインデックス」にあたる評価実行ファイル「WINSAT.exe」の実行結果を「Windows エクスペリエンスインデックス」の項目に合わせて紹介しよう。「プロセッサ」の値は「6.8」、「メモリ」の値は「5.5」となかなかよい。「グラフィックス」の値が「4.3」、「ゲーム用グラフィックス」の値が「4.1」とグラフィックス系が低めに出ているが、「プライマリハードディスク」の値はeMMC搭載端末らしく「7.1」と高スコアだ。
ディスクアクセス速度をはかる「CrystalDiskMark 3.0.2」や、PCの総合力をみる「Crystal Mark 2004R3」のスコアも悪くない。PCとしての基本的な力は低くないという印象にあった結果が出た。
グラフィックス機能が非力であるため、残念ながら最新の3Dゲーム等は難しそうだ。「FINAL FANTASY XIV: A Realm Reborn ベンチマーク キャラクター編」の解像度を落として「標準品質(ノートPC)」で実行してみたところ「設定変更が必要」という結果が出てしまった。ゲームはブラウザベースのものなどに留めておく方がよいだろう。
「HP Omni10」のバッテリー駆動時間については、電源オプションをバランスのまま、無線LAN機能もオンにした状態で「BBench」を利用して計測したところ、8時間36分56秒使うことができた。カタログスペックが約8時間30分だから、非常によく持ったといってよいだろう。
「BBench」実行後に挙動が不安定になるマシンも多い中そうしたこともなく、「HP Omni10」はとてもよくできているタブレットと感じられた。Webブラウジングから小説、漫画など何かを見る用途に適した、長時間使っても安心なマシンといえそうだ。