薄くて曲がるのがインパクト大な「ウィローガラス」
抗菌のゴリラガラスも登場
もちろん、他社もゴリラガラスのような化学強化ガラスを開発している。独メーカーであるショットの「Xensation Cover」や、旭硝子の「Dragontrail」などが有名だろう。それらとの差異化のポイントとして、コーニングジャパンは、ガラスそのものに機能を持たせた製品案を紹介していた。
冒頭で紹介した超薄板ガラス、「ウィローガラス(Willow Glass)」もその一つ。ウィローとは「柳」のことで、風が吹いてもしなって折れないイメージからこの名がついたそう。0.1mm程度の薄さで、曲げやすい特性を持つ、たとえば、柱に巻きつけたり、曲面に這わせるといったことが従来のガラスよりも容易だ。また、今までのガラスのように1枚ずつ成形しなくとも、シート状、ロール状でも提供できるのも大きなメリット。
他にも、強い光の映り込みを防止するガラス、抗菌機能が付加されたガラスなどが紹介されたが、特に後者は以前ASCII.jpでも記事にしたので、ご存知の方もいるかもしれない(関連記事)。抗菌作用を持ったウェットティッシュやスプレーで一時的にコーティングするわけではなく、イオン交換で銀イオンを表面に埋め込むので、半永久的に使えるという。これも公式の紹介動画がわかりやすいので、紹介しておこう。
強化ガラスには「機能」の時代が来るかも
「ゴジラガラス」登場の可能性もあった?
説明会が終わって思ったのは、これからの強化ガラスは「傷に強い」以上のことが求められるのでは、ということだ。ゴリラガラスのウリは、なんといっても傷が付きにくいということだった。しかしこれからは、「傷付かないうえに、曲がる」「傷付かないし、抗菌」といった、付加価値の高い強化ガラスの時代が来るのかもしれない。
また説明会の中では、今後は建築メーカーなどとも手を組み、ゴリラガラスを広い範囲に採用してもらえるよう努力していく……といった発言もあった。将来的には、「ゴリラガラスの建物」が登場する可能性もあってもおかしくはない。
ところで、個人的に気になっていた、「ゴリラガラス」というネーミングの由来についても広報の人に聞いてみた。やはり、あの動物のゴリラの屈強なイメージから取られた名前とのこと。しかもゴリラガラス 2の開発時には、ゴリラよりも強いということで、「ゴジラガラス」という名称も案として出たのだそうだ。
残念ながら(?)その案は消えてしまったそうだが、「ゴジラガラス」というネーミングもインパクトが絶大なので、ぜひ今後新しい製品が生まれたら、また検討してほしいと筆者は切に願っている。