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これだけは知っておきたい 最新テクノロジーキーワード ― 第5回

「ゴリラガラス」スマホを包む化学強化ガラスの秘密

2012年05月09日 12時00分更新

文● 小林哲雄

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高級感と薄型に貢献するガラスパネル

コーニング ゴリラガラスのイメージ写真。金属球を乗せてもたわむだけで割れない

 スマートフォンのカタログに、「ゴリラガラス」と書いてあるのをよく見かけるようになった。最近ではスマートフォンやタブレットだけでなく、ノートパソコンのディスプレー保護パネルとしても、ゴリラガラスが使われる例が増えている。例えばレノボの「ThinkPad X1」シリーズや、デルの「XPS 13」などがソレだ。

 「ゴリラガラス」とは、2007年に販売開始された米コーニング社の「化学強化ガラス」の商標である。後でも説明するが、化学強化ガラスとはガラス表面に化学加工で「圧縮応力層」を作り、表面の強度を増して破損しにくくした強化ガラスの一種だ。化学強化ガラスはコーニングの専売特許というわけではなく、旭硝子の「Dragontrail」(2011年1月発表)や、日本電気硝子の「CX-01」(2011年4月発表)、独ショット社の「Xensation Cover」(2011年5月発表)など、各社から発売されている。

 「ガラスは割れる弱いもの」というイメージがあるが、実のところガラスは、理論上大変丈夫だ。だが実際に弱い理由は、ガラスの「欠陥」が避けられないことと、ガラスは曲がりにくいので、力が加わると欠陥部に力が集中して一気に壊れてしまうためだ。

 後者での割れを防止するために使われているのが、ガラスの強化加工だ。強度が要求される車のウインドウガラスや業務用のコップには、強化加工が施されている。この分野では「Tempered glass」という物理強化ガラスが広く実用化されている(旭硝子の「テンパライト」の商標が有名)。物理強化ガラスは、まずガラスを軟化点近くまで加熱した後に急冷する。するとガラス表面には圧縮応力が、内部には引張応力が生まれる。

物理強化ガラスの製法

 この圧縮応力によってガラスが割れることを防ぐわけだが、物理強化ガラスはこの強化層(圧縮応力層)が約0.3mmと厚く、ある程度のキズには耐えるものの、それを超えると全体が一気に破壊する(アサイマーキングシステムが公開している動画)。自動車事故でフロントガラスが粉々になるのは、強化ガラスの特徴によるものだ。そのため、物理強化ガラスは後加工が行なえず、ある程度の厚みが必要になる。

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