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抗菌ガラスや、「巻き取れる」ガラスも紹介された

「ゴリラガラス」はなぜ傷に強い? コーニングに話を聞いた

2014年05月19日 20時28分更新

文● コジマ/ASCII.jp編集部

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 いきなりだが、上にある写真は何だろうか。巻き取られている、巨大なセロハンテープっぽくも見える。透明だから、ビニールかもしれない……。いやいや、実はこれ、ガラスなのである。

 このガラスは、ガラス製品メーカーであるコーニングが開発したものだ。読者の皆さんには、コーニングという社名よりも、同社が開発した化学強化ガラス「ゴリラガラス(Gorilla Glass)」の方がなじみ深いかもしれない。多くのスマートフォンやタブレットなどに搭載されていることで、とても有名だろう。

 しかしそもそも、ゴリラガラスはなぜ傷つきにくいのだろう? また、最近では他社も強化ガラスを出しているが、先行メーカーとしてそれらとどのように差別化していくのか? コーニングジャパンが説明会を開くというので、さっそく話を聞いてきた。

コーニングの歴史は古い
あのエジソンの電球もコーニングだった

 コーニングは、アメリカはニューヨーク州に本社をおく世界最大級のガラス製品メーカーだ。創立は1851年。社名は、ニューヨーク州のコーニング市にちなんでいる。もともと本社は別のところにあったが、コーニングに移ったのを機に社名を変えたのだそう。

 1879年には、あのトーマス・エジソンが発明した白熱電球に用いる球状ガラス容器の製造に成功。1915年には調理や化学実験用の耐熱ガラス「パイレックス」を商標登録、1947年にはテレビ用ブラウン管の大量生産を開始するなど、ガラスの発展にコーニングあり、と呼んでも過言ではない存在だ。

ニューヨーク州のコーニング市はこの辺り。地名が社名になっているわけだ

エジソンの白熱電球のガラス容器の製造、光ファイバーの開発など、技術革新の歴史が紹介された

 ほかにも、自動車の排気ガスを無害なガスと水蒸気に転換するセラミックス多層基板を開発したり、国立天文台ハワイ観測所すばる望遠鏡の主鏡ガラスを製造したりと、様々なガラス製品を手がけている。

車の排気ガスを転換するセラミックの基板や、望遠鏡の主鏡ガラスなども開発している

 そのコーニングの製品の中でも、やはり有名なのはゴリラガラスだろう。従来の携帯の画面は、プラスチックが使用されることが多かった。しかし、タッチパネルとして画面を利用するなら、プラスチックよりも誘電率が高いガラスが向いている。そこで、傷に強いガラスが欲しい……という需要で生まれたのが、ゴリラガラスというわけだ。しかし、一体どういうメカニズムで、「傷に強い」ガラスは生まれたのだろうか。

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