無駄をカットした結果、フツーの製品に……
顧客のニーズか発想の転換か、最新のCHARGEKEYは、彼らが先に発売したCHARGECARDの“クレジットカードサイズ”というサイズ的無駄をカットした実用商品だ。
財布や名刺ケースに収納して持ち歩けるという点を除外すれば、機能的にはカードサイズにこだわる必然性はほとんど何もない。
しかしCHARGECARDは、財布から取り出し、それがUSB充電ケーブルにトランスフォームするプロセスが極めてノマド的なガジェットなのだ。一方、CHARGEKEYは単にキーホルダーにぶら下げることができるシンプルな実用商品だ。
ミニマムデザインのCHARGEKEYは至近距離にあるPCやモバイルUSB充電器のUSBポートからの充電、SYNCには極めて適している。しかし、USB/ACアダプター経由の充電では、壁面コンセントの位置にもよるが、見た目の納まりとしてCHARGEKEYのミニマムデザインが仇となってしまうこともありそうだ。
販売開始の順序から言って、CHARGEKEYは、CHARGECARDからミニマムな機能を独立させた新製品だと想像できるが、結果として、図らずも極めてシンプルでどこにでもあるごく普通のオリジナルmicroUSBケーブルになってしまったようだ。
21世紀のノマドワーカーが出先でスピーディに使うには、シンプル操作を実現するデザインコンセプトは極めて重要だ。しかし、筆者はCHARGEKEYにはガジェットとしてのウンチクや価値ある無駄、思わず微笑むギミック、そしてデザインへのこだわりのいずれも感じることができなかった。
単なる製造コストの積み上げを反映させた結果、現在の販売価格(29ドル、約3000円)になるのなら、残念ながら価格は10倍高いという結論になってしまいそうだ。
パブリックな資金調達を前提にして登場するさまざまなプロダクトはまさに玉石混交だ。
今回の衝動買い
アイテム:CHARGEKEY microUSB版(iPhone用もあり)
価格:
Nomad Goods(ウェブ)にて29ドル(約3000円)で購入
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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