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キヤノン、3Dソリューション事業を本格化—100億円以上の事業規模を目指す

2014年04月10日 11時00分更新

文● 大河原克行

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 キヤノンマーケティングジャパンは、3Dソリューション事業を本格化させる。

 これまで子会社であるキヤノンITソリューションズが取り扱ってきた「SolidWorks」などの3D CADソフト、およびヘッドマウントディスプレーを通じて立体的に視覚化するキヤノンMR(Mixed Reality=複合現実感)システム「MREAL」(エムリアル)に加えて、4月10日から新たに3Dシステムズの3Dプリンターの取り扱いを本格化。将来的には3Dスキャンニングシステムの取り扱いも視野に入れており、3Dソリューションとしてワンストップでの提案を行なう。

3Dシステムズの3Dプリンターで完成した造形物。細かい部分まで再現している

将来的には3Dスキャナーの取り扱いも検討していく

石膏の中から造形物を取り出す。石膏をすべて落とすと右のようになる

2016年、3Dソリューション事業全体で
100億円以上の売上げ規模が目標

 同社では、まずは製造分野を中心に3Dソリューション事業を展開する予定で、2016年には、3Dソリューション事業全体で100億円以上の売上げ規模を目指す。

3Dソリューション事業の販売目標

 キヤノンマーケティングジャパンでは、同社売上高の47%を占めるビジネスソリューション(BS)セグメントにおいて、中期的な成長エンジンのひとつとして3Dソリューション事業を据えている。

 「2016年度の国内法人向け3Dプリンター市場は、約260億円の市場規模が見込まれている。そのうち、当社では約20%のシェア獲得を目指し、約50億円の売上高を目指す。さらに、3D CADなどの3Dエンジニリアング事業を加えることで、あわせて100億円以上の事業規模を目指したい」(キヤノンマーケティングジャパン ドキュメントソリューション企画本部ソリューション企画課・月岡敦史氏)とする。

キヤノンマーケティングジャパン ドキュメントソリューション企画本部ソリューション企画課・月岡敦史氏

国内最大規模の3Dシステムズ一次販売代理店

 同社では、2013年11月から、3Dシステムズのハイエンド3Dプリンターを産業分野向けに取り扱いを開始していたが、2014年4月からは、新たにパーソナル用途からプロフェッショナル用途までを対象とした3Dシステムズの「Projet」シリーズの取り扱いを開始。国内1次販売代理店として本格展開する。

 これにあわせて、3Dソリューションの専任担当者10人を配置するほか、全国の拠点に3Dソリューション事業を推進するためのキーパーソンを約30人配置。さらに、販売子会社であるキヤノンシステムアンドサポート(キヤノンS&S)や、販売パートナー会社にも同様の担当者を育成し、約100人の事業体制を整える。サポート体制についても、キヤノンS&Sにおいて、まずは東京地区に5人のCE(カスタマーエンジニア)を配置するほか、6月末までに各エリアに7人のCEを配置し、年内には各県へのCE配置を計画している。さらに、東京・品川のキヤノンマーケティングジャパン本社3階のショールームに3Dプリンターコーナーを開設する。

キヤノンマーケティングジャパン本社3階ショールームに設置した3Dプリンターコーナー

 「3Dシステムズの一次販売代理店としては、国内最大規模の体制で展開することになる。当社の直販体制だけでなく、キヤノンS&Sや販売パートナーとの連携により、地域や顧客規模を問わず、3Dプリンターの提案活動を展開できる点が強みになる」(月岡氏)という。

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