前回はPCオーディオデバイスとして使用できる、さまざまな製品を紹介した。
今回はその中から、コルグのUSB DAC「DS-DAC-100」と、ソニーのワイヤレススピーカーシステム「SRS-X9」、同じくミニコンポ「MAP-S1」を使用した実際のセットアップ方法を紹介する。なお、おもにDSD再生に主眼を置くが、FLACなどのハイレゾ音源の再生方法にも触れていく。
今回使用したPC&Mac
その前に、今回使用したPC/Macについて紹介しよう。Windows PCはASUSの「VivoPC VM40B」のキーボード&マウス付属モデル(S007K)を使用。実売価格は5万5000円前後だ。
幅190×奥行190×高さ56.2mmというコンパクトなボディーながら、USB 3.0×2、USB 2.0×4という豊富な拡張性を持つ。有線LANはもちろん無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)やBluetoothにも対応しており、ワイヤレススピーカーなどとの接続もバッチリ。
CPUがCeleron 1007U(1.5GHz)と若干非力な印象をもたれそうだが、オーディオ再生に関しては(DSDも含めて)ほぼ問題なく行なえた。
Macintoshは、「MacBook Air」の2010モデル(11インチ)を使用。古いモデルをオーディオ専用機にする、という想定であえて4年前のモデルで試してみた。CPUはCore 2 Duo(1.4GHz)ということで(ハイレゾ再生時における)USB DACの推奨環境ギリギリであるが、今渇試した限りでは問題なく再生が行なえた。
「DS-DAC-100」と「AudioGate 3」で
DSDのネイティブ再生を実現する!
まずはDS-DAC-100でハイレゾを再生するためのソフトウェアをセットアップする。本機では、コルグ製のハイレゾやDSD音源のプレーヤーソフト「AudioGate 3」が無償提供されている。同社製品に最適化されているので、導入自体はそれほど大きな苦労はない。
しかし、別のソフトで再生したいという人もいるかもしれないので、今回はAudioGate 3の再生のほかに、WindowsとMacの両環境でハイレゾやDSD音源を再生するためのセットアップ方法について後ほど解説する。
AudioGateは3月末に最新バージョン(v3.0.1)が公開されており、同社のウェブページから入手が可能。現在は再生のみが可能なプレーヤーとしての機能が中心だが、フォーマットの変換などの機能が付加されたフル版が5月に配信される予定だ。
DS-DAC-100を使うにあたってPCにインストールするのは、AudioGate 3とDS-DAC用のドライバー。先にドライバーをインストールして、DS-DAC-100とPCをUSB接続したあとにAudioGate 3をインストールする。
AudioGate 3は、コルグのDS-DACシリーズが接続されていない状態でも起動可能だが、DSD音源を48kHzにリサンプリングして出力する仕様となっている。
インストール後、そのままの状態では、PCの内蔵音源からの出力となっているため、ハイレゾ音源を再生しても44.1kHzと表示されてしまう。そのため、設定を変えてDS-DAC-100からの出力に切り替える。
設定画面を開いて、ドライバーの種類を「ASIO」とし、ドライバー名で「KORG USB Audio Device Driver」を選択。DS-DACシリーズはWindowsの音声出力機能を使わず、レイテンシの少ないインターフェース「ASIO」を経由して音を出す。
ソフトウェアからハードウェアに到達するまでの処理が高速なため、より大きな音楽データーを伝送可能。DSDといったデータ量の多い音楽再生に向くというわけだ。ASIOはもともとはDTMに向けて作られた規格となっている。
Macでは、ドライバー名の変更のみでDSDのネイティブ再生が可能。というのも、Mac OS標準のサウンドドライバーである「Core Audio」は、ASIO同等の技術が用いられている。そのため高速化のために別途ソフトウェアを用意する必要がない。
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