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コンパクトなPCではじめるPCハイレゾオーディオ 第3回

ソニー「SRS-X9」やコルグ「DS-DAC-100」でDSDを再生する方法

2014年04月10日 12時00分更新

文● 外村克也

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 前回はPCオーディオデバイスとして使用できる、さまざまな製品を紹介した。

 今回はその中から、コルグのUSB DAC「DS-DAC-100」と、ソニーのワイヤレススピーカーシステム「SRS-X9」、同じくミニコンポ「MAP-S1」を使用した実際のセットアップ方法を紹介する。なお、おもにDSD再生に主眼を置くが、FLACなどのハイレゾ音源の再生方法にも触れていく。

今回使用したPC&Mac

ASUSの「VivoPC VM40B」。オーディオPCとして相応しいシルバーメタリックな外観が魅力だ

ASUSの「VivoPC VM40B」。オーディオPCとして相応しいシルバーメタリックな外観が魅力だ

 その前に、今回使用したPC/Macについて紹介しよう。Windows PCはASUSの「VivoPC VM40B」のキーボード&マウス付属モデル(S007K)を使用。実売価格は5万5000円前後だ。

 幅190×奥行190×高さ56.2mmというコンパクトなボディーながら、USB 3.0×2、USB 2.0×4という豊富な拡張性を持つ。有線LANはもちろん無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)やBluetoothにも対応しており、ワイヤレススピーカーなどとの接続もバッチリ。

 CPUがCeleron 1007U(1.5GHz)と若干非力な印象をもたれそうだが、オーディオ再生に関しては(DSDも含めて)ほぼ問題なく行なえた。

「MacBook Air」の2010モデルを使用。USB 2.0端子を装備しているので、USB DACとの相性もバッチリ

「MacBook Air」の2010モデルを使用。USB 2.0端子を装備しているので、USB DACとの相性もバッチリ

 Macintoshは、「MacBook Air」の2010モデル(11インチ)を使用。古いモデルをオーディオ専用機にする、という想定であえて4年前のモデルで試してみた。CPUはCore 2 Duo(1.4GHz)ということで(ハイレゾ再生時における)USB DACの推奨環境ギリギリであるが、今渇試した限りでは問題なく再生が行なえた。

「DS-DAC-100」と「AudioGate 3」で
DSDのネイティブ再生を実現する!

VivoPCとDS-DAC-100の構成例

VivoPCとDS-DAC-100の構成例

 まずはDS-DAC-100でハイレゾを再生するためのソフトウェアをセットアップする。本機では、コルグ製のハイレゾやDSD音源のプレーヤーソフト「AudioGate 3」が無償提供されている。同社製品に最適化されているので、導入自体はそれほど大きな苦労はない。

 しかし、別のソフトで再生したいという人もいるかもしれないので、今回はAudioGate 3の再生のほかに、WindowsとMacの両環境でハイレゾやDSD音源を再生するためのセットアップ方法について後ほど解説する。

 AudioGateは3月末に最新バージョン(v3.0.1)が公開されており、同社のウェブページから入手が可能。現在は再生のみが可能なプレーヤーとしての機能が中心だが、フォーマットの変換などの機能が付加されたフル版が5月に配信される予定だ。

まずはコルグのサイトでドライバーと「Audio Gate 3」をダウンロードする。それぞれWindows版とMac版が用意されている

まずはコルグのサイトでドライバーと「Audio Gate 3」をダウンロードする。それぞれWindows版とMac版が用意されている

 DS-DAC-100を使うにあたってPCにインストールするのは、AudioGate 3とDS-DAC用のドライバー。先にドライバーをインストールして、DS-DAC-100とPCをUSB接続したあとにAudioGate 3をインストールする。

 AudioGate 3は、コルグのDS-DACシリーズが接続されていない状態でも起動可能だが、DSD音源を48kHzにリサンプリングして出力する仕様となっている。

 インストール後、そのままの状態では、PCの内蔵音源からの出力となっているため、ハイレゾ音源を再生しても44.1kHzと表示されてしまう。そのため、設定を変えてDS-DAC-100からの出力に切り替える。

画面左上にあるサンプリング周波数の値をクリックすると設定画面が開く。ドライバーの種類を「ASIO」に、ドライバー名を「KORG USB Audio Device Driver」に指定(左)。すると、DSD音源を再生できるようになる(右)。サンプリング周波数の表示が「2.8MHz」または「5.6MHz」といったDSD特有の表記に変わる

 設定画面を開いて、ドライバーの種類を「ASIO」とし、ドライバー名で「KORG USB Audio Device Driver」を選択。DS-DACシリーズはWindowsの音声出力機能を使わず、レイテンシの少ないインターフェース「ASIO」を経由して音を出す。

 ソフトウェアからハードウェアに到達するまでの処理が高速なため、より大きな音楽データーを伝送可能。DSDといったデータ量の多い音楽再生に向くというわけだ。ASIOはもともとはDTMに向けて作られた規格となっている。

Macではドライバーの種類は「CoreAudio」のままでOK。ASIOと同様の仕組みをもつドライバーなので、ドライバー名を「KORG USB Audio Device Driver」に変更すればDSDのネイティブ再生が可能になる

Macではドライバーの種類は「CoreAudio」のままでOK。ASIOと同様の仕組みをもつドライバーなので、ドライバー名を「KORG USB Audio Device Driver」に変更すればDSDのネイティブ再生が可能になる

 Macでは、ドライバー名の変更のみでDSDのネイティブ再生が可能。というのも、Mac OS標準のサウンドドライバーである「Core Audio」は、ASIO同等の技術が用いられている。そのため高速化のために別途ソフトウェアを用意する必要がない。

DSD再生中は、DACのインジケーターなどでサンプリング周波数などを確認可能だ

DSD再生中は、DACのインジケーターでサンプリング周波数などを確認可能だ

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