スペイン・バルセロナで開催中のMWC 2014にブースを出展しているレノボ。日本のプレス向けにスマートフォンなどに関しての説明を行なった。
国内ではスマホの扱いはまだのレノボ
日本のプレスにスマホをアピールするワケは?
レノボのスマートフォンビジネスは現状では、本国である中国やインドなどの新興国市場に限定的である。また、Motorola MobilityをGoogleから買収するという発表はあったものの、どのように運用するのかなどは現時点では未定であるという。
Motorola Mobility自体はauやソフトバンクなどに端末を供給した実績があるが、日本での事業統合やブランドの利用などについても検討中とした。モトローラのブランドは、アメリカ大陸やヨーロッパなどでは知名度が高いが、日本や新興国でのブランド知名度はアメリカなどに比べると高いとは言いがたい。
おそらくは、先進国向けには、モトローラブランドの活用や、既存の販売ルートやサポート組織などを使うことになるだろうが、そうでない地域では、レノボブランドを維持することになると思われる。
また、MWCではマイクロソフトが、Windows Phoneのパートナーとしてレノボが参加したことを発表しており、IntelもMerrifieldなどAtom系スマートフォンプロセッサを採用するパートナーとして、複数年契約での提携を発表している。レノボとしては、幅広くコミットするものの、Androidスマートフォンも維持するとしており、スマートフォンなどでのプロセッサやOSを何かに統一しようとしているわけでもないようだ。ただ、MWC開催中の時点では、発表できるような具体的な製品計画があるわけではなく、可能性を検討している段階だとしている。
スマートフォンのプロセッサやOSは、PC系のインテルやマイクロソフトが乗り出したこともあり、メーカーや開発者の綱引き状態になっている。より多くのハードウェアを出荷するためには販売力のある事業者や製造メーカーが必要で、さらに多数のアプリケーションを集めるためには多数の開発者が必要になる。
しかし、ハードウェアの出荷数とアプリケーションの数は、お互いを見ながら増える関係にあるため、どこかで片方を大きく動かさないと、ハードウェア台数もアプリケーション数も小さな数で均衡してしまう可能性がある。そういうわけで、インテルもマイクロソフトも、メーカーや開発者の取り込みに必死なのだが、加えて、Samsungなどの大手メーカーも、他のハードウェアメーカーとの差別化のために独自機能を搭載し、これらを利用したアプリケーションを作る開発の取り込みを行っている。
ディスプレーサイズは大型で
MediaTek製チップを採用したスマホラインナップ
そんなレノボがMWCで発表したのは、スマートフォン3種とYOGA TABLETの上位モデル、そしてソフトウェアである。スマートフォンについては、前述のように日本国内での販売は未定だ。
ラインナップは最上位のVIBEシリーズを先頭にA、K、S、Pの5系列がある。今回の発表はSシリーズでS850、S860、S660という3機種。下位機種となるS660でも4.7型、上位の機種は5.3/5型とどれも大型の液晶を装備する。搭載するAndroidはJelly Beanで、Kit Katへのアップグレードについてはいまのところ確定していないという。プロセッサはMediaTek社の6582で、CPUコアはCortex-A7、GPUはmali 450。
10インチのYOGA TABLET 10 HD+は、従来発売されていたYOGA TABLETの画面解像度をさらに高めたもの(関連記事)。さらに専用のキーボードカバーが用意される。また、YOGA TABLETシリーズの特徴である組み込みのスタンドは、底面部分が大きくなり、より倒した角度でも利用できるようになった。
また、同社のスマートフォンには、いくつかの専用アプリケーションをまとめたPremieres New Suite「DOit」も発表した。これは、スマートフォン間やPCなどと写真やビデオなどのデータを共有する「SHAREit」などを含む5つのアプリケーションからなっている。SHAREitは、Wi-Fiダイレクトを使ってインターネット接続を使わずにデータ交換が可能で、お互いを認識する場合に「音」を出し、その音から相手を判別する機能などもあって、比較的簡単にデータ交換が可能だった。
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