TwitterのIPO時に鐘を鳴らしたのは?
さて、Twitterがニューヨーク証券取引所に上場を果たした11月7日、恒例であるオープニングベルを鳴らしたメンバーは、Twitter創業者の面々ではありませんでした。スタートレック・シリーズのエンタープライズ号のピカード艦長(@SirPatrickStew)、ボストン市警の広報担当者(@Bostonpolice)、そして9歳の少女ヴィヴィアン・ハール(@vivienneharr)さんでした。
これはTwitterで活躍した人にスポットライトを当てるというのが、その趣旨とのこと。
彼女の名前を聞いたのは、その11月5日にランチをともにした我々夫婦のコーヒーでの師匠であるリチャード・サンドリンさんからでした。彼は米国のフェアトレード認証機関に勤めており、ハールさんの「Make A Stand」(http://makeastand.com/products/original)というレモネードのブランドが、地元のレモンとフェアトレードの砂糖で作っているとのことから重要なパートナーであるとの話でした。
ハールさんは児童奴隷根絶の活動家として知られています。ピンク色のきれいなレモネードはその象徴であり、ハールさんは日々の活動やアイディアをTwitterで発信し、さまざまな場所でスピーチをしているそうです。
冒頭で老若男女の情報網という指摘をしましたが、手軽な情報発信と想像しえない拡散力は、個人の活動や主張を広める手段となっており、その人の活動や「本音」を貫いていくことができる環境に育っているといえるでしょう。
この話はビズが「続けられる好きなこと」を具現化したように、使うユーザーも自分の好きなことや信念を素直に表現できる場としてTwitterが存在しているようです。
我々は2014年以降も、Twitterを活用していけるのでしょうか。米国のモバイルサービスを取材していると、グローバルで1つのサービスを提供しているところもありますが、一方でモバイルサービスが人々の生活に密着していることから、サービス内容や使い方にゆとりを持たせ、国や言葉、文化の違いを、使う人々の運用で吸収しようというアイディアを持つものが成功しているように思います。
日本はどのように、このゆとりを活用するといいのでしょうか。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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