スマートフォンが世界で飛ぶように売れている。先に発表された2013年第3四半期のデータでは、2億5840万台と四半期ベースで過去最高の台数を記録。この勢いは年末商戦まで続きそうだという。その中心は低価格ラインであり、市場は新興国中心に少しずつ動きつつあるが、ハードウェア側でも面白い動きが出てきている。
アップルも前年同期比で25%増
これでも上位勢では成長率は最も低い
2013年第3四半期のスマホ市場はAndroidの圧勝となった。Appleしか提供していないiOSを除くと、上位ベンダーはどこもAndroidで台数を稼いだ。Samsungが楽々と王者を維持、ついでAppleという2極体制は変わらず、3位以下はデットヒートとなる。
IDCのデータを見ると、首位のSamsungは第3四半期に8120万台を売上シェアは31.4%に。前年同期比40%増と好調な成績を収めた。2位のAppleはiPhone 5s/iPhone 5cのローンチを挟み販売台数は前年同期比25.7%増だ。ただし、これでも上位5社の中では最も低い伸び率なのだ。その結果、シェアは13.1%と前年同期から1ポイント下げた。
3位はHuaweiで4.8%、4位のLenovoは4.7%、5位のLGが4.6%。Huaweiは長くトップ3入りを目指していたので、念願かなったといえるが安心はできない。Huawei、Lenovo、LGともに前年同期比70%以上の増加で、シェア争いはまさに熾烈だ。
市場の牽引役はミッドレンジから下の低価格モデルだ。GALAXY S4が好調なSamsungも、成長の多くは低価格モデル。ハイエンドでブランドの地位を確立し、その影響でミッドレンジとローエンドを売るという戦略が上手く回っているようだ。
BlackBerryの低迷の恩恵も受けて、Windows Phoneが3位の地位を確保したとはいうものの、市場はまさにAndroid一色。Windows Phoneはライセンス料が足かせとなり、市場がローエンドに移行すると無料のAndroid優勢はさらに強まりそうだ(ちなみにMicrosoftはWindows Phoneのライセンス売上よりも、主要Androidベンダーと結んでいる特許ライセンス料金の方が5倍も大きいという。Androidが売れるとMicrosoftにもしっかりお金が落ちてくる仕組みが作られている。)。今年の11月でGoogleが「Open Handset Alliance」を発足させて6年になるが、ここまでの繁栄を当時Googleですら予想できなかったのではないか。
だが、Androidベンダーがすべて好調というわけではない。上位5社に入らなかったベンダーにHTCとMotorola(Google傘下)がある……いずれもAndroidブームに一役果たしたベンダーだ。特にAndroidで名を挙げたHTCはハイエンドに集中した戦略が裏目に出て、なかなかカムバックができない状況だ。同社は第3四半期、約30億台湾ドル(約100億円)の損失を計上、四半期ベースでは初の赤字となった。過去最高の業績のSamsungとは対照的といえる。
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