多彩なゲストで彩られたcybozu.com Conference 2013基調講演
「cybozu.comは世界を目指さなければならない」の決意表明
2013年11月11日 06時00分更新
シスコ平井社長が登壇!コラボレーションの真髄を語る
また、多様なニーズに応えるべく、サイボウズではアライアンスパートナーを拡充しており、さまざまなソリューションを提供している。青野氏はその代表として、シスコシステムズ代表執行役員社長 平井康文氏を特別ゲストとして壇上に招いた。シスコはcybozu.comと連携できるUC(Unified Communication)ソリューションを展開すると共に、コラボレーションの分野においてもさまざまな研究や調査を行なっており、書籍なども刊行されている。
自身もサイボウズ創業の地である愛媛県松山市の出身である平井氏は、「IT部門だけではなく、事業部門がITを活用してビジネスを推進する時代が来る」と、昨今のIT動向を俯瞰。その上で、ビジネスを変革するイノベーションの源泉はITというツールではなく、あくまで人であると強調した。平井氏は、「技術はいくらでもコピーできるし、技能は外から買ってこられる。しかし、組織風土は他社には真似できない。会社、部門、部署それぞれでユニークなものを大切にしてもらいたい」と語る。
そして、こうした人同士がコラボレーションを行なうことで、大きなビジネス価値を創出できると強調。平井氏は、「社員同士が信頼し、共有できる価値観、ビジョンを持ち、それを実現するビジネスプロセスがあってこそ、テクノロジーはそれを加速する土台になる」と、サイボウズとともにコラボレーションを促進していく方向性をアピールした。
平井氏は、「シスコはフローの情報、サイボウズはストックの情報が得意。この両社を組み合わせることで、ものすごく大きな価値をお客様に提供できる」と両社の提携をアピールした。
相性はぴったり!ZendeskのCEOも登壇
また、基調講演の後半では、米Zendeskと戦略的な協業についても言及された。Zendeskはクラウド版のCRM(Customer Relationship Management)製品を提供するベンダーで、電話のみではなく、Webやメール、SNSなどさまざまなチャネルを利用できるのが大きなメリットとなっている。現在、グローバルでは3万社の顧客がおり、100万人のユーザーがサポートを受けているという。
11月7日付けで発表された協業では、日米市場のマーケティング活動や製品の連携を相互に行なう。サイボウズは日本市場でのZendeskの普及をサポートし、Zendesk側は米国でのcybozu.comの普及に注力する。もともとZendeskがサイボウズのkintoneのユーザーだったこともあり、今回の提携が実現したという。
基調講演ではZendesk創業者兼CEOのミッケル・スヴェーン氏が登壇した。kintoneを選定した理由、提携に踏み切った理由についてスヴェーン氏は、「サイボウズ、そしてkintoneに出会ったとき、一目惚れした。クラウドへのビジョンやパッションも共通だったし、美しいほどにシンプルなシステムを作ろうという底に流れる理念も同じだった。使ったその日から、その価値が実感できる製品だと思った」と評価し、クラウドベンダーとしてのシンパシーが両社をひき寄せたと話す。
青野氏は、「クラウドの時代は、なにか大きなシステムを買うのではなく、優れたサービスを選んで、連携させて使うモノだと思っている。ぜひZendeskとの提携も成功させましょう」と意気込みを語った。それに応えたスヴェール氏は日本語で「Zendeskとサイボウズは相性ぴったりです!」と語り、青野氏とシェイクハンドし、相思相愛ぶりをアピールした。
クラウド時代に向け大きく変わりつつあるシスコ、そしてクラウドの波に乗り、グローバル展開を推進するZendeskという2社との提携は、サイボウズの今後、ひいては日本のIT業界の今後を象徴している出来事のように思えた。