新たなSurfaceでは、「Surface」ブランドを強く訴求
Surfaceの進化でも特筆できるのが、今回の新製品では、マイクロソフトがSurfaceというブランドについて、これまで以上に強い意思を持って展開しているという点だろう。
それを最も強く感じることができるのが、本体背面に配置したロゴマークの変更だ。
これまでのSurfaceでは、Windowsのロゴマークが配置されていたが、新たなSurfaceでは、Surfaceのロゴへと変更したのだ。
米マイクロソフトのSurface セールス&マーケティング担当のRobin Seiler氏は、「最初のSurfaceでは、Windowsプラットフォームのデバイスであるということを強調するために、Windowsのロゴマークとしたが、新たなSurfaceでは、Surfaceというブランドを強く訴求することを意識した」と前置きし、「初代Surfaceの購入層を分析すると、トレンドセッターと呼ばれる層が中心であり、そうした人たちが、自らがSurfaceを使用しているということを訴求できること、まわりからみてもSurfaceを利用していることがわかるように、Surfaceの文字を入れることにした」とする。
初代Surfaceは、マイクロソフト初の自社ブランドの製品ということもあり、対抗するiPadやAndroid端末との差を明確にするために、Windowsのロゴを配したともいえる。
しかし、米国での発売から1年を経過したというタイミングで、マイクロソフトブランドのWindowsデバイスとして、Surfaceの製品ブランドが浸透。今回から、Surfaceのロゴを入れたというわけだ。
実は、外箱にもこだわりが感じられる。
初代Surfaceの外箱には、Surfaceの文字とともに、OSであるWindows RTあるいはWindows 8 Proのロゴが入っていたが、新たなSurfaceでは、Surfaceの文字とともに、Microsoftのコーポレートロゴが入っている。OSを訴求するのではなく、マイクロソフトブランドのデバイスであることを訴求するメッセージに変わったといえよう。
一方で、新製品では、Surface RTをSurface 2とし、名称から「RT」の名前を取った。
同社では、「Surface RTとSurface Proという、まるで別の製品として認識してもらうのではなく、Surface 2のプロフェッショナル版として、Surface Pro 2を位置づけてもらえるようにした。Surface 2は、タブレットとしての利便性が高さを求めるユーザー、Surface Pro 2は、ノートPCとして利用するプロユースにも耐えうる製品とする」(Seiler氏)と説明する。
Surface 2は、「より生産性が高いタブレットを目指して進化した製品」とし、Surface Pro 2は、「ラップトップPCの代替となる製品へと進化」としたと位置づけており、ひとつのブランドのなかで、それぞれの役割を明確にしたというわけだ。
ここにも、Surfaceとしてのトータルブランド戦略が垣間見られるだろう。
新たな世代となったSurfaceは、Surfaceブランドの定着という隠れた狙いがありそうだ。
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