このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

痛車でラリー! メロンからプラムへ~新たなる挑戦! 第5回

諏訪姫ランサー、今シーズン最後の戦いは京都!

2013年10月09日 17時43分更新

文● 中村信博 ●撮影/Alfred Vorgan、shino-p

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

デイ2、ターボパワーが失われた諏訪姫ランサー

 2日目はパワーが失われた状態で走ることになった諏訪姫ランサー。幸いにも、タービンの破損箇所はエンジン本体に影響を及ぼす部分ではなく、ブースト圧がまったくかからない以外はエンジン自体に問題は無い。ただ馬力がめっきり落ち込み、JN-1クラスの軽量マシン並みか、それ以下のスピードでしか走れなくなってしまった。

オーバーナイトパルクフェルメが明け、デイ2のステージに向けて出発しようとする諏訪姫ランサー。例え遅くとも、きっと将来につながる大きな経験となってくれるはずだ

昨日、断続的に降り続いた雨の影響で、この日朝の丹後半島は濃霧。視界が極端に低下した林道を、諏訪姫ランサーは淡々と走ってい

 諏訪姫ランサーは、各車の後ろを追いかけるように淡々とステージを消化する。JN-4クラス最下位は確定し、さらに総合順位でも次々と下位クラスに追い抜かれていくが、わざわざ遠くまで諏訪姫ランサーを見に来てくれたファンのためにも、確実にゴールを踏むことだけが今日の目標となっていた。最終のSS13でJN-4クラスの1台がリタイヤしたため、諏訪姫ランサーは1つ順位が繰り上がってクラス10位でフィニッシュする。

 こうして、春から続いた諏訪姫ランサーの出場カレンダー全日程が終了した。全4戦のカレンダーのうち、前半戦こそ表彰台への入賞が期待された結果となったが、後半2戦はトラブルが続き、少しばかり不完全燃焼なことになってしまった。この借りは、エースの眞貝知志選手/インテグラを投入する10月のターマック2連戦で取り返してみせる!

 ところが、一難さってまた一難。インテグラの整備を担当するシロキヤレーシングサービスより、最悪の回答がもたらされる。

「ホンダのパーツデリバリーが終了して部品の確保が困難となったため、残念ながら昨年度まで使用していたインテグラの修復は不可能という結論にならざるを得ない」

 自動車メーカーは修理用の純正部品を供給しているが、だいたい最終生産から10年ほどで純正部品の供給をストップしてしまう。DC2インテグラはすでに最終生産から10年以上が経過しており、いつパーツ供給が終了してもおかしくない状況にあったのだ。今から新たなマシンを用意するのは時間的にも不可能で、結論として眞貝選手の出場はこれでできなくなってしまったのだ。

 突然、後半戦ドライバーの変更という難事が降りかかることになったPLUM RACING。八方手を尽くして実力のあるドライバーを見つくろった結果、新たなドライバーとして抜擢したのが、この選手だ!

香川秀樹選手 (C)JRCA

 香川秀樹選手。2010年度全日本ラリー選手権、JN-3クラスドライバーズチャンピオンの経歴を持つ。眞貝選手と同じインテグラ使いだが、眞貝選手がターマックを得意としているのに対して、香川選手は特にグラベルイベントでのスピードに定評のある選手だ。昨年度まではLUCKチームの86のドライバーを務めていて、その実績からどのようなマシンでも乗りこなせる適応力の高さが窺い知れる。

眞貝選手と同じく、香川選手もインテグラ使い。グラベルでのテクニックは国内トップクラスだ

 今年の全日本ラリー選手権では、現在JN-3クラスのドライバーズランキング2位につけている香川選手。1位の選手とはポイント的にかなりの開きがあり、2度目のシリーズチャンピオンを奪うことは難しいかもしれないが、後半2戦の走り次第では夢ではない。もちろん当初より契約していた訳ではないので、PLUM RACINGとしてチャンピオンを取った事にはならないが、わずかでもそれに力添えができれば筆者としても本望だ。

 すでに香川選手のマシンはデザイナーの下に預けられて、新たにデザインしたカラーリングへ施工中。その初お目見えは、10月12~13日に開催される全日本ラリー選手権第8戦「MCSCラリーハイランドマスターズ」の本番当日となる予定だ。香川選手の走り共々、ぜひとも期待していて欲しい!

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ASCII.jpメール アキバマガジン

クルマ情報byASCII

ピックアップ