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人工知能「ココロエンジン」をクラウドでつなぐシャープ

2013年10月03日 09時00分更新

文● 大河原克行

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 CEATEC JAPAN 2013の開催初日、シャープの奥田隆司会長が、「ICT&エレクトロニクスで実現する豊かな暮らし 〜 Technology to Customers 〜」をテーマに基調講演を行なった。

シャープの奥田隆司会長

一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)の取り組み

 奥田会長は、CEATEC JAPAN 2013主催者のひとつである一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)の会長も務めている。

 奥田会長は、まずICTを取り巻く環境について説明。2010年には世界人口が69億人となり、そのうち65歳人口が9.1%であるのに対して、日本は2010年に1億2800万人、そのうち65歳の人口構成比が23.0%となっており、「日本は、少子『超』高齢化の社会を迎えることになる。だからこそ、日本をICTを利活用しながら、健康で安全に世界を築くことがますます重要になる」とした。

2010年には世界人口が69億人となり、そのうち65歳人口が9.1%。日本は2010年に人口1億2800万人、そのうち65歳の人口構成比が23.0%となる

 奥田会長は、日本を「課題先進国」と位置づけ、「社会インフラが老朽化し、超高齢社会が進展している。ICTを活用して、新たなサービスやデバイスを提供し、新たなイノベーションを起こすことが必要な時代になってきた。そうしたことを通じて、日本が、課題解決の先進事例になることが必要である」とした。

「日本が、課題解決の先進事例になることが必要である」とした

 続けて奥田会長は、CIAJは3つの重点事業があるとして、「事業環境変化に対する政策提言の強化」「業界を取り巻く諸問題への取り組み」「団体活動基盤改善の取り組み」を挙げ、「今日の基調講演では、特に諸問題への取り組みについて説明する」と語った。

一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)の重点事業

 奥田会長は、通信インフラの進展について説明し、「通信インフラの進展は、我々の生活を劇的に変化させている。これは今後も進展し、3億7000万台の端末が1.7倍に拡大。NTTドコモでは、5Gの通信インフラの開発を進めている。2020年には数10Gbpsにまで転送速度が拡大することになるだろう。これに伴い、国内のインターネットのトラフィックは増加し、させらに、ウェフラブルな端末の増加や、センサーネットワークの進展に伴って、大容量化が求められている」とした。

通信インフラと端末の進化

放送インフラとテレビの進化

 一方で、放送分野では4K8Kテレビの時代が訪れようとしていることに触れながら、「メーカーなどが参加して発足した次世代放送通信フォーラムでは、2013年から4K8Kのテストベッドの構築・検証を開始。2020年に向けた活動を開始している。放送と通信の融合が進むことで、映像と通信のスタイルが変わっていくことが予想される」などと述べた。

次世代放送の取り組み

 さらに、「交通、農業、医療、教育などにICTを実装していくことが、産業を活性化させ、雇用が創出され、コミュニテイが回復していくことになる。ICTの理解や導入には、産業によって差があり、ICTの導入に制度が問題となっている産業も存在する。広くICTの実装が進んでいとはいえない。そうした点を改善していく必要がある」とする。

 そして、もうひとつの視点として、暮らしに直結する部分でのICT利活用についても触れ、「日本のGDPは、1970年に比べて2010年は21.5倍になっているが、1人あたりのエネルギー消費量は1.5倍に留まっている。産業や暮らしでの省エネ意識が高まり、省エネ先進国として努力してきた成果である」と前置きし、「シャープでは、50年前から太陽電池を開発するなど、家庭内の省エネに取り組んできた。今後は、省エネの観点だけでなく、機器同士、また機器と人がつながりながら、生活がをより便利になるよう進めていこうと考えている」とした。

シャープは、、省エネの観点だけでなく、機器同士や、機器と人とがつながりながら、生活をより便利にするようを進めていくとした

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