マイクロソフトと、医療分野における取り組み
日本マイクロソフトは、この取り組みにおいて、クラウドサービスの無償提供を行なうことになる。
日本マイクロソフトの加治佐俊一最高技術責任者は、「Windows 8および専用アプリによるシンプルな操作、高齢者でも分かりやすいタッチ操作などのほか、Dynamics CRM Onlineによる柔軟な拡張性、強固なセキュリティ、災害時などのデータ損失防止などの特徴を、このシステムの中で生かすことができる。今回の高齢者健康管理システムで得られる知見を、今後の製品およびサービス開発に活用していきたい」と語る。
マイクロソフトでは、医療分野においていくつもの取り組みを開始している。手術現場では、KINECTセンサーを使用した非接触画像操作・閲覧システムを提案。清潔さを維持したまま執刀医が必要な画像情報にアクセスできるようにしている。また、ビジュアル内視鏡による大腸がん検診システムでの3Dヒジュアル映像への変換、ハイパフォーマンスコンピューティングと機械学習の技術を活用して膨大なデータを分析し、HIVの脆弱性を発見する研究、クラウドコンピューティングを活用した眼底画像遠隔読影サービスなどはその一例だ。近未来の世界を描いた同社製作のビデオ「Future Vision」でも医療分野へのIT利活用提案が描かれている。
「様々なデジタル機器がネットワークでつながり、クラウドにデータが蓄積されることで、そのデータを活用した医療が可能になってくる。今回の実証実験は、Future Visionで描かれたような世界を実現するための重要なステップとなっている。マイクロソフトはデバイスとクラウドの両面からサポートすることになる」と、加治佐最高技術責任者は述べた。
4社は、2014 年度中に実証研究の成果をまとめ、2015 年のサービス実用化に向けて改善を行なうことになる。
企業における利活用、社会貢献が一気に増えるSurface
日本マイクロソフトは、9月からSurfaceの法人向けビジネスを正式にスタートした。これにより、企業における利活用が一気に増えることになる。日本マイクロソフトの樋口泰行社長は、「すでに500社以上の企業から受注を得ている。これまでのタブレットでは、たいしたことができない、マウスやキーボードが使えない、アプリケーションが動作しない、周辺機器が接続しないといった課題がある。そうしたユーザーが、Surfaceだったら使えるという声が出ている」とし、「これが本当のタブレットであり、これまでのタブレットは、タブレット未満である」と自信をみせる。
「本当のタブレット」が、企業での利活用や、今回のような高齢者健康管理システムという社会貢献の中で、どんな役割を果たすのか。そうした動きがいよいよ表面化する時期に入ってきた。
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